2022 Fiscal Year Research-status Report
HMGB1ペプチドによる胆道閉鎖症の新規内科的治療薬に基づいた再生医療の開発
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22K15920
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福岡 智哉 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30790729)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 胆道閉鎖症 / 再生医学 / 間葉系幹細胞 / HMGB1ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、間葉系骨髄幹細胞が胆道閉鎖症の病態に果たす役割を解明するとともに、 胆管結紮モデルおよびrhesus rotavirus (RRV) 誘導性胆道閉鎖症モデルマウスを用いて、 、骨髄間葉系幹細胞血中動員活性を有するHMGB1 ペプチドによる、間葉系幹細胞を介した肝臓における抗炎症作用および抗線維化作用の有無とその機序を明らかにすることを目的としている。そのために、胆道閉鎖症モデルの導入とHMGB1ペプチド投与による肝臓における抗炎症作用および抗線維化作用の有無の確認を行いつつ、胆道閉鎖症患者の血中および葛西術時と肝移植時の摘出肝における間葉系幹細胞の検出を行うこととしている。 胆道閉鎖症モデルの導入とHMGB1ペプチド投与による肝臓における抗炎症作用および抗線維化作用の有無の確認については、動物実験施設へのマウス導入の事務手続きは終了しており、マウスが導入され次第、胆管結紮およびRRV誘導性の胆道閉鎖症モデルマウスの作成を行う予定である。 胆道閉鎖症患者の血中および葛西術時と肝移植時の摘出肝における間葉系幹細胞の検出については、当院で葛西術または肝移植を施行した際に採取され、凍結保存・ホルマリン固定されている肝臓はすでに揃っているため、抗体が入手でき次第、免疫染色による間葉系幹細胞の検出を開始する。また、胆道閉鎖症患者の血液検体については、胆道閉鎖症患者6例、非胆道閉鎖症の胆汁うっ滞症患者8例、非肝疾患コントロール患者3例の検体を揃えており、抗体が入手でき次第、Flow Cytometryを用いた血中間葉系幹細胞の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナウイルス流行により学位取得が遅れ、コロナ特例により科研費の支給が留保されていた。2023年3月31日付で支給が開始となり、研究開始が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
胆管結紮およびロタウイルス誘導性の胆道閉鎖症マウスモデルの作成を速やかに行い、HMGB1ペプチド投与による炎症、線維化の改善の有無を評価する。 胆道閉鎖症患者の血中および葛西術時と肝移植時の摘出肝における間葉系幹細胞の検出については、当院で葛西術または肝移植を施行した際に採取され、凍結保存・ホルマリン固定されている肝臓はすでに揃っており、また、胆道閉鎖症患者の血液検体については、胆道閉鎖症患者6例、非胆道閉鎖症の胆汁うっ滞症患者8例、非肝疾患コントロール患者3例の検体を揃えているため、抗体が入手でき次第、間葉系幹細胞の解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により学位取得が遅れ、コロナ特例による科研費の支給の留保を行っていたため、今年度は研究を行うことができなかった。次年度では今年度行う予定であった胆道閉鎖症患者の血中および葛西術時と肝移植時の摘出肝における間葉系幹細胞の検出、胆道閉鎖症モデルマウスの導入、HMGB1ペプチドに投与による肝臓への抗炎症作用、抗線維化作用の有無の確認を行う予定であり、マウス飼育や抗体などの購入のために必要を使用する予定である。
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