2023 Fiscal Year Research-status Report
HMGB1ペプチドによる胆道閉鎖症の新規内科的治療薬に基づいた再生医療の開発
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22K15920
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福岡 智哉 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30790729)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 胆道閉鎖症 / 再生医療 / 間葉系幹細胞 / HMGB1ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では胆道閉鎖症モデルマウスに対して、内因性の間葉系幹細胞の活性化を起こす作用を有するHMGB1ペプチド投与を行い、肝の炎症、線維化の改善が得られるかを確認するとともにそのメカニズムを検索し、胆道閉鎖症患者の肝の炎症、線維化に対する新規の内科的治療薬の創薬につなげることを目的としている。 当該年度では胆道閉鎖症マウスモデルとして胆管結紮による胆汁うっ滞性肝障害マウスの作成を行った。当初の計画では、HMGB1ペプチド投与により胆管結紮後3週間で肝における炎症関連遺伝子や線維化関連遺伝子の発現、肝の線維化が軽減することを評価する予定であったが、実際、胆管結紮の3週間後の肝臓では炎症関連遺伝子や線維化関連遺伝子の発現は偽手術群と比較して亢進していたが、肝の線維化の程度は当初想定していたよりも軽度(F1-F2程度)であり、HMGB1ペプチドの効果を観察するには適していないと考えられた。胆管結紮から評価までにさらなる期間が必要であると考えられたため、胆管結紮後の期間について条件検討を行ったところ、胆管結紮6週間後では肝における炎症関連遺伝子の発現や線維化関連遺伝子の発現はさらに上昇し、中等度の線維化(F2-3程度)を呈しており、HMGB1ペプチドの効果を観察するのに適した線維化の程度と考えられ、胆管結紮後6週間後に評価を行うこととを決定した。現在、胆管結紮マウスに対してHMGB1ペプチドの投与を行い、肝の炎症、線維化に与える影響を観察している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍のため学位取得が遅れ、研究開始が令和5年3月からとなったため。 胆管結紮における胆道閉鎖症モデルマウスにおいて、当初は胆管結紮後3週間で肝臓の評価を行う予定であったが、線維化の程度が想定より軽度であり、胆管結紮後の期間を長く設定するように計画を変更する必要があったため。
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Strategy for Future Research Activity |
胆管結紮による胆道閉鎖症モデルマウスに対してHMGB1ペプチドの投与を行い、肝の炎症、線維化の程度の変化が見られるか観察する。 ロタウイルス投与による胆道閉鎖症モデルマウスの作成を行い、同マウスに対するHMGB1ペプチド投与による肝の炎症、線維化の程度の変化を観察する。 これらの胆道閉鎖症モデルマウスにおいてHMGB1ペプチド投与により炎症、線維化の程度に改善を認めた場合はそのメカニズムの検索を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究開始時期が令和5年3月と遅れたため、令和4年度に行う研究を令和5年度に行っているため。さらに胆管結紮による胆道閉鎖症モデルについても当初予定していた条件ではHMGB1ペプチドの投与に適さないと考えられ、追加の条件検討を要しており、HMGB1ペプチドに関わる研究が行えていないため。 令和6年度はHMGB1ペプチド投与による炎症、線維化の変化の評価やそのメカニズムの解明を行うとともに、ロタウイルスによる胆道閉鎖症モデルマウスの作成と、同マウスに対するHMGB1投与の効果を検証していく予定である。
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