2022 Fiscal Year Research-status Report
新規アッセイ法による肺炎球菌ワクチン接種幼児の唾液と血清における抗体レベルの比較
Project/Area Number |
22K15924
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
ドバデル ビム 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (80761113)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺炎球菌ワクチン / マルチプレックス免疫アッセイ / ワクチン血清型 / 抗体価 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果についての具体的内容: 本研究の目的の1つ目に挙げた「全ての肺炎球菌ワクチン血清型に対する抗体測定を目的とした新規24項目Luminexアッセイの開発と検証」に関して、開発を2022年夏までに完了した。検証についても、2022年末までに、感度・特異度・再現性についての評価を終了した。従来法であるELISAとの比較によりいずれのワクチン血清型も非劣性を示している。2つ目に挙げた「唾液を用いたワクチン血清型に対する抗体価測定の可能性の検証」について、最初の段階である倫理審査については長崎大学内倫理委員会からの承認が4月に得られ、ネパール健康研究会議(倫理委員会)への承認申請の準備中である。 研究成果の意義: これまでの成果として、新規アッセイ系における感度・特異度・再現性のデータを収集した。これは様々な濃度の血清に含まれる抗体量(抗体濃度)を正確に検出できることを評価するものであり、採取する検体量が少なく、希釈が必要な場合であっても、血清中抗体濃度測定は可能であることを証明している。また、特異度に関しては、非特異的結合が血清型間でどの程度起こるかを検証するものであり、これも従来法に劣らないデータとなった。再現性も高く、実用性が高いアッセイであることが見込まれる。 研究成果の重要性: 従来法は多く検体、時間、費用を要するが、新規アッセイ系による大幅に効率が良くなる。今後、新規に承認されたワクチンも含め、ワクチンの効果を量的に評価する際の一助となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規アッセイの開発・検証は終了した。現在は実際の患者検体を用いた評価の初動段階であり、倫理委員会からの承認が日本側では得られている。計画書に示したタイムラインにほぼ沿った状況と言える。ネパールでの検体収集についても現地視察は終えており、倫理申請の準備に入っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、ネパール健康研究会議 (NHRC) から倫理承認を得ることとなる。承認時期については現在のところ未定ではあるが、ネパールの現地医師と定期的なミーティングをもち、承認後に速やかに検体収集や疫学データ収集ができるように準備を進めている。具体的には6月以降、疫学データ収集ツールの準備、検体の収集・保存・管理の手順書の作成、現地の研究補助員の選定・トレーニングを行う予定である。
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