2022 Fiscal Year Research-status Report
血友病A治療における高機能型第FVIII因子製剤の開発
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22K15928
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
中島 由翔 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00905408)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高機能型FVIII |
Outline of Annual Research Achievements |
BHK細胞によるFVIII発現系を用いて変異FVIII(K1813A, K1818A, K1813A/K1818A)を作成し、変異FVIIIの比活性を測定したところ、K1813AがWild type (WT) FVIIIの約2倍の比活性を認めた。それぞれのFVIII変異体(10 nM)にトロンビン(0.4 nM)を添加し、トロンビン添加後のFVIII活性を凝固一段法で経時的に測定したところ、K1813Aにおけるトロンビン活性化後の不活化はWTより約2倍抑制されていた(K1813AとWTの減衰係数(k )はそれぞれ1.8×10-2,3.5×10-2)。次に、FVIII変異体(1nM)にトロンビン(30 nM)を添加し、FVIII活性の不活化速度を凝固一段法で経時的に測定したところ、K1813Aにおけるトロンビン活性化後の不活化はWTより約2.4倍抑制されていた(k =2.9×10-2,7.0×10-2)。これらの結果より、K1813AはWTよりA2解離速度が抑制されることが示された。 K1813Aの包括的凝固能についてWTと比較検討したところ、トロンビン生成試験及びROTEMにおいて、WT 1nMとK1813A 0.5nMがほぼ同等の凝固能を示すことがわかり、K1813AはWTより2倍程度の凝固能を有することが示された。K1813AとWTをF8-Knock out (KO)マウスに投与し、凝血学的効果について尾端切断後出血量を用いて評価したところ、K1813A 2μg/kg投与時の出血量は、WT 2-4μg/kg投与時に比べて優位に低く、K1813A 1μg/kg投与時の出血量と、WT 2-4μg/kg投与時の出血量が同等であることがわかった。以上の結果から、K1813AはWTより約2-4倍程度の凝固能を有することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、K1813AがA2解離速度を抑制することでWTの約2倍高い凝固能を有する高機能型FVIIIであることをin vitro実験系で明らかにし、またK1813Aがin vivoにおいてもWTより約2-4倍の凝固能を有することを示した。その成果について、2022年にオンラインでBlood Advances誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、高機能型FVIII変異体作成のプランとして、FIXaとの親和性が亢進するK1813Aの変異を基にさらに①A2ドメイン解離によるFVIIIの不活化を抑制する変異、②プロテインSや活性化プロテインCによる不活化を抑制する変異(Takeyama et al., Br J Haematol, 2008, Takeyama et al. Thromb Haemost. 2013)、③トロンビンによるFVIII活性化を増強する変異(Nakajima et al. J Thromb Haemost. 2021)、④FXとの親和性を亢進する変異などを加えることで、比活性がWTの5-10倍のFVIII変異体の作成を目指す。
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Causes of Carryover |
物品、消耗品の購入価格や旅費などが当初計画と少し違っていたために次年度使用額が生じたが、基本的は計画通りである。
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Research Products
(3 results)