2023 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子改変マウスモデルを用いた肺静脈性肺高血圧症の病態解明および新規治療法の探索
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22K15931
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
瀬谷 大貴 東京慈恵会医科大学, 医学部, ポストドクトラルフェロー (30806021)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺高血圧 / 病態モデル / 肺静脈 / 肺循環障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
後毛細血管性肺高血圧症(post-capillary pulmonary hypertension:pc-PH)は、肺静脈狭窄・閉塞や左心性心疾患に伴い発症するが、いまだ有効な薬物療法は確立されておらず、適切な動物モデル評価系もない。本研究では、研究代表者らが新たに作製した肺静脈および心房筋特異的なPitx2cコンディショナルノックアウト(cKO)マウスのpc-PH病態モデルとして有用性を検証し、さらにpc-PHの病態を明らかにすることを目的としている。3ヶ月齢のPitx2c-cKOマウスに対して前年度に実施した心臓超音波検査および心臓カテーテル検査から、Pitx2c-cKOマウスは肺循環系に障害がある可能性が考えられたため、本年度はより重点的に血行動態の評価を行った。12ヶ月齢のPitx2c-cKOマウスに対して心臓超音波検査を実施したところ、3ヶ月齢のマウスと同様に右心室の著明な拡大を認めた。また心臓カテーテル検査において一部のPitx2c-cKOマウスで右心室圧の上昇を認めた。さらに3ヶ月齢のPitx2c-cKOマウスから摘出した心臓組織を用いてナトリウム利尿ペプチド(ANP/BNP)のmRNA量を測定したところ、Pitx2c-cKOマウスの両心房、右心室ならびに肺静脈ではBNPのmRNA量が増加していた。ANPのmRNA量は変化していなかった。すべてのPitx2c-cKOマウスで右心室の著明な拡大を認めるのに対して、右心室圧の上昇は一部マウスでしか認められないため、その原因を明らかにすべく、現在、Pitx2c-cKOマウスから摘出した肺と心臓の組織切片を作製して、詳しく検証しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
12ヶ月齢のPitx2c-cKOマウスに対して心臓超音波検査および心臓カテーテル検査を予定通り実施することができた。しかし、本年度中に実施する計画であった肺静脈の血管構造の評価については、組織切片の作製に時間を要したため、予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)引き続き、Pitx2c-cKOマウスから摘出した肺および心臓の組織切片で、肺静脈の血管構造を詳細に観察する。特に、狭窄病変の有無について評価する。 (2)Pitx2c-cKOマウスの血清中のNT-proBNP濃度を測定する。NT-proBNPは心機能低下や心負荷の増大に応じて血液中に多く分泌されるため、Pitx2c-cKOマウスでは値が高くなることを期待する。 (3)研究期間の最終年度であるため、結果をまとめて論文投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動(所属研究機関の変更)に伴う研究環境の再セットアップのために今年度予算の一部を次年度に繰り越すこととした。今後、試薬や消耗品の購入資金として充当する予定である。
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Research Products
(3 results)