2022 Fiscal Year Research-status Report
個別化医療を目指した小児全身性エリテマトーデスの免疫学的再分類
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22K15934
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊良部 仁 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40912316)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 小児全身性エリテマトーデス / 全身性エリテマトーデス / 小児 / 小児リウマチ / 免疫学的解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児全身性エリテマトーデス(cSLE:childhood systemic lupus erythematosus)において、サイトカイン解析、フローサイトメトリーによるリンパ球の解析、免疫異常を呈する遺伝子解析、それらと臨床情報との比較を進めている。 現在、cSLEの患者22名を解析対象とし、診断時の末梢血から解析を行っている。cSLE患者における免疫細胞解析ではmemoryB細胞、NK細胞、invariant NKT細胞、骨髄系樹状細胞と形質細胞様樹状細胞の割合が減少し、αβT細胞、制御性T細胞、活性化T細胞、プラズマブラストが増加していた。サイトカイン解析では、インターロイキン-18、CXCL9、soluble TNF-受容体Ⅱ型、IL-6、インターフェロン(IFN)α、BAFF(B cell activatig factor belonging to the tumor necrosis factor family)は健常対照と比較して増加していた。IFNαの増加は、メモリーB細胞、トランジショナルB細胞、プラズマブラスト、IgMメモリーB細胞、NK細胞の増加と関連していた。Th17の割合の増加が、PSLの減少期間の長さに関連していた。 cSLEに関連した臓器障害のサブ解析では、腎炎がCD8+T細胞およびメモリーB細胞の増加と関連していた。 遺伝学的検索については、データファイルの入手が遅延しており、二年次には解決される予定であり、積極的に進行させる。現時点ではcSLEに関連した単一遺伝子異常が二例同定された。プロジェクトの軸として進行させていく。 また、サイトカインについては上記に加え、網羅的な解析を含むことも検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子解析結果のbamファイルをExcelデータに変換するソフトに不具合が発生し、遺伝学的解析が進んでいない。それ以外の解析は概ね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
新規症例を増やし、遺伝子解析におけるメカニカルトラブルを解決し解析を進める。データを二年次に収集を概ね終了し、三年次に解析と発表・論文化を目指す。
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Causes of Carryover |
以前の研究で用いていたキットを使用していたため、支出が今年度は少なかった。 次年度では網羅的な自己抗体やサイトカイン解析を計画しており、キットの購入に充てる。
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