2023 Fiscal Year Research-status Report
アミノ酸・アシルカルニチンプロファイルを用いた未熟児のアミノ酸・脂質代謝の検討
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22K15935
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
五十嵐 愛子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (10757719)
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Project Period (FY) |
2023-01-20 – 2027-03-31
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Keywords | SGA児 / 脂質・アミノ酸代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
在胎不当過小(small for gestational age;SGA)児と在胎相当体重(appropriate for gestational age;AGA)児の胎児期から新生児期のアミノ酸・脂質代謝の違いや、代謝に影響を与える因子を解析することを目的に、出生時、生後1週間、生後1か月、修正40週の濾紙血と血清を凍結保存し、アミノ酸・アシルカルニチン分析を行った。また母体や新生児情報も調査した。 アミノ酸・アシルカルニチン分析で得られた、アミノ酸・アシルカルニチンプロファイルを用いて、出生時でのSGA児とAGA児との比較検討をしたところ、出生時のアミノ酸プロファイルにおいて、濾紙血・血清ともにSGA群はAGA群より有意にロイシン、フェニルアラニン、チロシンの低下がみられた。一方で生後1週間前後では、濾紙血・血清ともにロイシンとフェニルアラニンに有意差はみられなくなり、チロシンのみSGA群はAGA群より有意に低かった。出生時のアシルカルニチンプロファイルにおいては、濾紙血でSGA群はAGA群と比較して長鎖脂肪酸が高い傾向がみられ、生後1週間前後でも同様の傾向がみられた。一方で生後1か月前後と修正40週前後ではその傾向はみられなかった。 この結果をふまえ、今後は母体妊娠高血圧症候群の有無や出生時の低血糖との関連性の評価が必要と考えている。生後1週間前後は中心静脈栄養の影響を受けるため、中心静脈栄養の有無や内容に関しても検討が必要と考える。まだ対象者を増やす必要があるため、さらに検体数を増やして解析をすすめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体を集め、アミノ酸・アシルカルニチン分析を行っているが、予定していた検体数がまだ集まっていない。分析できたプロファイル結果を用いて解析も少しずつではあるが、すすめることができているが、さらに検体を集めて行う必要があると考えている
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Strategy for Future Research Activity |
さらに検体を集め、分析行いつつ、解析をさらにすすめていく。SGA群のなかでも、臍帯血流が悪くなる母体妊娠高血圧症候群の有無や出生時の低血糖の有無などでも、比較検討することを検討している。
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Causes of Carryover |
当該年度は質量分析のための消耗品(移動相溶媒やプレートなど)、技術補佐員への実験補助謝金が必要となったが。予定していた検体数が集まっておらず、未使用金が生じた。 翌年度は上記経費に加えて、質量分析計のメンテナンス料が必要となる他、本研究のための情報収集をする目的で旅費が必要となる予定である。
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