2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K15939
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仁平 寛士 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00881301)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 血管炎 / ADA2 / 共培養 / 化合物スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
共培養を用いた血管炎モデル系での発現解析を実施するに先立ち、無刺激状態でのU937細胞mock株及びADA2ノックアウト株を用いてmRNA発現解析を実施した。その結果、患者末梢血細胞でのmRNA・プロテオーム解析結果で得られた知見同様、ADA2ノックアウト株においてIFN-γ経路及びTNF-α経路の亢進が示唆された。現在有刺激での発現解析に加え、共培養系での発現解析を行うべくサンプリングを予定している。 近位依存性ビオチン標識プロテオーム解析によるADA2相互作用分子の探索に関して、解析に際して必要となる、野生型に加え複数のADA2変異型のプラスミドを作製を完了した。さらに、HEK293細胞への強制発現でBioID法によるプロテオーム解析を実施したところ、変異株に共通して野生株に比較し明らかに発現低下している遺伝子・タンパクを複数確認した。レンチウイルスを用いてU937細胞への導入を完了し、次の段階として、作製したU937細胞を用い、無刺激並びに共培養系でのBioID法プロテオーム解析を予定している。 共培養系を用いた化合物スクリーニングに関して、JAK経路を阻害する既存の化合物にまずは範囲を広げてスクリーニングを実施したところ、新たに細胞障害抑制効果が得られる化合物が認められた。JAK選択性に一定した傾向が認められていないことからその点も含めた考察を進めると共に、JAK経路阻害以外の化合物にもスクリーニング対象を拡大し実施する予定としている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始時の知見に矛盾しないさらなる知見が得られており、さらなる解析に必要な細胞株の確立が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、作製したU937細胞株を用い、ADA2が機能する主たる炎症経路の解明,相互作用する主要分子の特定,細胞障害性抑制を示す化合物探索を進める。
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Causes of Carryover |
当初はBioIDによるプロテオーム解析を先行する予定としていたが、まずは作製済みの細胞株で解析可能なアッセイを優先した事で当該年度の使用研究費が抑えられた。当該年度助成金のうちの翌年度繰り越し分も併せて使用し、当該年度に作製した細胞株を用いたプロテオーム解析や化合物対象を拡大したスクリーニングを実施予定としている。
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