2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22K15939
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仁平 寛士 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00881301)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | ADA2 / 自己炎症性疾患 / 血管炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
ADA2欠損症は遺伝性自己炎症性疾患の1つで、単一遺伝性疾患の中で唯一と言ってよい全身性の中型動脈炎を特徴とする疾患である。ADA2欠損症の病態生理に関しては、単球による血管内皮障害,単球の炎症抑制型マクロファージへの分化障害,IFN-γやSTAT1シグナルの過剰活性化が根底に存在する可能性が示唆されているが、その中でADA2が果たす役割に関しては未だ明確になっていない。マウスにオルソログの存在しないADA2は、疾患モデルとして広範な解析に使用できる系の構築が未達成の状態であり、有用な疾患モデル系・機能解析系の構築が求められている。 本研究では、ヒト単球系細胞株を用いた共培養系を世界で初めて構築することにより、ADA2欠損単球が血管炎を惹起する、その1つの側面を再現する事ができた。病的変異とSNPで表現型の違いを再現する事ができた一方で、本共培養系を用いたトランスクリプトーム解析では明確な結果は得られなかった。しかし、ドラッグスクリーニングによりJAK阻害薬がADA2欠損症の炎症病態に有効となる可能性を示す事ができた。 加えて、免疫沈降,近位依存性ビオチン化タンパク標識,リン酸化プロテオーム等を組み合わせる事により、単球細胞においてADA2が直接・間接的に相互作用する分子やシグナル経路を絞り込んだ。 今後得られた標的分子を念頭に新たな機能解析系を樹立し、未だ解明されていないADA2の分子生物学的役割の特定とADA2欠損症の病態解明を進めていく。
|
-
[Journal Article] A complementary approach for genetic diagnosis of inborn errors of immunity using proteogenomic analysis2023
Author(s)
Sakura F, Noma K, Asano T, Tanita K, Toyofuku E, Kato K, Tsumura M, Nihira H, Izawa K, Mitsui-Sekinaka K, Konno R, Kawashima Y, Mizoguchi Y, Karakawa S, Hayakawa S, Kawaguchi H, Imai K, Nonoyama S, Yasumi T, Ohnishi H, Kanegane H, Ohara O, Okada S
-
Journal Title
PNAS Nexus
Volume: 2
Pages: -
DOI
-
-