2023 Fiscal Year Research-status Report
エピゲノム修飾因子NSD1変異によるDNAメチル化と遺伝子発現異常メカニズム解明
Project/Area Number |
22K15946
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
渡邊 英孝 佐賀大学, 医学部附属病院, 助教 (10404203)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ソトス症候群 / インプリントDMRのDNAメチル化異常 / IGF2-DMR0 |
Outline of Annual Research Achievements |
エピジェネティック制御機序が原因となる先天性異常症であり指定難病のソトス症候群 (SS)は原因遺伝子がヒストンメチル化酵素をコードするNSD1遺伝子であることは明らかになっているが、詳細なメカニズムは未解明である。申請者は、これまでの研究で、SS発症の原因がNSD1の変異によりインプリントDMRのDNAメチル化異常を惹起する可能性を見いだした。本研究課題ではSS発症の原因を検証する為、SS患者のNSD1遺伝子についてメチル化解析を行い、インプリントDMRメチル化異常とインプリント遺伝子発現との関連性を明らかにする。エピジェネティック制御機序が原因となる、先天性異常症候群の発症メカニズムを解明することで、遺伝性疾患の治療法の糸口を見つけることを目的とする独創的な研究である。現在まで、なぜSSが過成長を示すか、のメカニズムは分かってはいない。申請者は、SSに認められるDMRのメチル化異常が特定遺伝子の過剰発現を引き起こし、その過成長の表現型を説明できると考えた。本研究では、実際の患者検体のみならず、細胞レベルやマウスなどで再現が可能であるかを検証する。本研究課題はNSD1によるインプリントDMRの、DNAメチル化の制御機構を明らかにし、SS発症メカニズムの解明を目指すことを目的とした。SS発症のメカニズムを解明し、表現型を、分子メカニズムの観点から説明可能にしたい、と考え下記の①~④の解明を目標にした。① SSにおけるインプリントDMRのDNAメチル化異常とNSD1変異部位との関連性。② SS原因遺伝子NSD1によるインプリントDMRのDNAメチル化制御メカニズム。③ IGF2-DMR0を制御しているタンパク質の同定。④ 患者の症状を説明できるモデルマウスの樹立と解析。一昨年度から情報収集と必要物品の調達を行い、昨年度は①から③の内容に関して取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者は、ソトス症候群(SS)に認められるDMRのメチル化異常が特定遺伝子の過剰発現を引き起こし、その過成長の表現型を説明できると考えた。本研究では、実際の患者検体のみならず、細胞レベルやマウスなどで再現が可能であるかを検証する。本研究課題はNSD1によるインプリントDMRの、DNAメチル化の制御機構を明らかにし、SS発症メカニズムの解明を目指すことを目的とした。SS発症のメカニズムを解明し、表現型を、分子メカニズムの観点から説明可能にしたい、と考え下記の①~④の解明を目標にした。① SSにおけるインプリントDMRのDNAメチル化異常とNSD1変異部位との関連性。② SS原因遺伝子NSD1によるインプリントDMRのDNAメチル化制御メカニズム。③ IGF2-DMR0を制御しているタンパク質の同定。④ 患者の症状を説明できるモデルマウスの樹立と解析。一昨年度は学会参加や論文検索による情報収集と、必要物品の調達に時間をさき、①の内容から取り組んだ。文献検索や物品の調達に時間がかかり、昨年度までで①②③の内容には取り掛かってはいるものの、④の内容がまだ目処が立たず未定となっており、(3)やや遅れている。(Slightly Delayed)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は、ソトス症候群(SS)に認められるDMRのメチル化異常が特定遺伝子の過剰発現を引き起こし、その過成長の表現型を説明できると考えた。本研究では、実際の患者検体のみならず、細胞レベルやマウスなどで再現が可能であるかを検証する。本研究課題はNSD1によるインプリントDMRの、DNAメチル化の制御機構を明らかにし、SS発症メカニズムの解明を目指すことを目的とした。SS発症のメカニズムを解明し、表現型を、分子メカニズムの観点から説明可能にしたい、と考え下記の①~④の解明を目標にした。① SSにおけるインプリントDMRのDNAメチル化異常とNSD1変異部位との関連性。② SS原因遺伝子NSD1によるインプリントDMRのDNAメチル化制御メカニズム。③ IGF2-DMR0を制御しているタンパク質の同定。④ 患者の症状を説明できるモデルマウスの樹立と解析。上記の現在 までの進捗状況としての報告では、昨年度はおもに学会参加や論文検索による情報収集と、必要物品の調達に時間をさき、①の内容から取り組んでいる。一昨年度は学会参加や論文検索による情報収集と、必要物品の調達に時間をさき、①の内容から取り組んだ。文献検索や物品の調達に時間がかかり、昨年度までで①②③の内容には取り掛かってはいるものの、④の内容がまだ目処が立たず未定となっている。よって現段階の進行としては(3)やや遅れている。(Slightly Delayed)としている。本年度は実験補助の人員の都合繰りは問題ないが、①②③の結論をまとめて、物品の調達に早急に目処をつけて近いうちに④へ進みたいものと考えている。
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Causes of Carryover |
申請者は、ソトス症候群(SS)に認められるDMRのメチル化異常が特定遺伝子の過剰発現を引き起こし、その過成長の表現型を説明できると考えた。本研究では、実際の患者検体のみならず、細胞レベルやマウスなどで再現が可能であるかを検証する。本研究課題はNSD1によるインプリントDMRの、DNAメチル化の制御機構を明らかにし、SS発症メカニズムの解明を目指すことを目的とした。SS発症のメカニズムを解明し、表現型を、分子メカニズムの観点から説明可能にしたい、と考え下記の①~④の解明を目標にした。① SSにおけるインプリントDMRのDNAメチル化異常とNSD1変異部位との関連性。② SS原因遺伝子NSD1によるインプリントDMRのDNAメチル化制御メカニズム。③ IGF2-DMR0を制御しているタンパク質の同定。④ 患者の症状を説明できるモデルマウスの樹立と解析。昨年度はお もに学会参加や論文検索による情報収集と、必要物品の調達に時間をさき、一昨年度は①の内容から取り組んだ。昨年度で①②③の内容に進んでおり、文献検索や物品の調達に時間がかかり、④の内容にまだ取りかかれていない。そのため次年度使用額が生じているが、本年度は更に使用が必要な物品収集、データ解析のためのソフト、論文作成に必要なデータ収集のめどをつけつつあることで、解消に向かうものと考えている。
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