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2022 Fiscal Year Research-status Report

胃癌と補体 ~抗補体薬は胃癌治療の次の一手になり得るか~

Research Project

Project/Area Number 22K15972
Research InstitutionFukushima Medical University

Principal Investigator

高住 美香  福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (10836331)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords胃癌 / 免疫チェックポイント阻害薬 / 補体 / 制御因子
Outline of Annual Research Achievements

切除不能進行胃癌に対する三次治療として2018年に免疫チェックポイント阻害薬が保険適用となり、2021年からは一次治療として併用できるよう適用拡大された。免疫機構を利用した治療法が胃癌の化学療法の新たな軸となっている。
補体はC3の活性化により病原体を排除する自然免疫機構であるが、補体因子C3、C3aの発現増加が胃癌の腫瘍増殖に関連すると報告されている。申請者らは、補体活性化の前期経路であるレクチン経路、第二経路に着目し、レクチン経路の制御因子であるsmall MBL-associated protein(sMAP)、第二経路の制御因子であるH因子(FH)、さらにsMAPとFHの融合タンパクであるsMAP-FHを作製した。我々が作製したリコンビナントタンパクは補体前期経路の阻害によりC3の沈着を低下させ、前期経路に続く後期経路も抑制する作用を持つ。本研究では、C3が増殖に関与している胃癌において、補体制御因子を利用した新規抗補体薬sMAP、FH、sMAP-FHが腫瘍増殖に及ぼす影響を検証し、胃癌の増殖に関わる補体活性化の前期経路(特にレクチン経路、第二経路)の影響を解明することを目的とする。令和4年度は、胃癌細胞株を用いた実験で抗補体薬sMAP、FH、sMAP-FHを培養上清に添加し、胃癌細胞の増殖、浸潤に影響を及ぼしていることを確認した。
さらに近年、免疫チェックポイント阻害治療が補体因子C5aの大量生成をもたらしており、C5a-C5aRシグナルを阻害すると免疫チェックポイント阻害薬の治療効果が高まることが報告された。本研究ではさらに、免疫チェックポイント阻害薬と新規抗補体薬sMAP、FH、sMAP-FHの併用療法の可能性を検証するため、胃癌細胞株の培養上清に抗補体薬と免疫チェックポイント阻害薬の両方を添加し、胃癌細胞の増殖、浸潤に影響を及ぼしていることを確認した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の実験計画通り、実験を遂行することができているため。

Strategy for Future Research Activity

令和4年度の実験では、抗補体薬、免疫チェックポイント阻害薬は、単独投与または併用投与において胃癌細胞株の増殖、浸潤能に影響を及ぼしていることを確認した。今後は、そのメカニズムについて詳細な解析が必要であり、補体分子や他の細胞増殖因子の動態について解析を進めていく予定である。

Causes of Carryover

物品の購入にあたり本年度の残高では不足していたため、翌年度の助成金と合わせて購入する計画である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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