2023 Fiscal Year Research-status Report
Lenvatinibによる門脈圧亢進抑制効果の検討
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22K15976
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
小川 裕之 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (10833840)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 門脈圧亢進症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、tyrosine kinase inhibitorであるLenvatinib(Len)の門脈圧亢進症に対する効果について肝線維化モデルを用いて検証を行っている。 前年度までに、ラット肝硬変モデルにおいて、Lenが門脈圧低下とともに肝組織内の血流量増加を促す効果を示すことを明らかにした。Len投与群では肝組織中のエンドセリン発現は低下した一方で、血管抵抗を負に制御するCTH、DDAH1、GCH1の発現上昇とともにeNOS活性の 上昇を認めた。また、Len投与群ではCD34陽性の類洞毛細血管化が有意に抑制されており、VEGF、PDGFの産生も低下傾向を示した。 本年度は、Lenの肝類洞内皮細胞(LSEC)への作用について、ヒトLSEC細胞株(TNMK-1)と活性化肝星細胞株(LX-2)との共培養系を用いて検討した。LX-2との共培養で、TNMK-1におけるCD34、VCAM1発現が上昇し、capillarizationの誘導が示唆されたが、Lenの添加により抑制された。また、Lenの添加によりエンドセリン発現の低下とともにNO産生の増加が認められた。一方で、Lenの添加により、TNMK-1との共培養下でのLX-2におけるcGMP産生が有意に増加し、Lenによる肝星細胞のcontractionの抑制が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
仮説通りの結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
異なる肝硬変モデル(胆管結紮モデル)を用いて、Lenの効果を検証する。
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Causes of Carryover |
主に胆管結紮モデルにおけるLenの効果検証の費用に用いる。
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