2022 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌の遺伝子サブタイプを予測するAI内視鏡診断システムの確立
Project/Area Number |
22K15979
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
神山 勇太 昭和大学, 医学部, 助教 (40621719)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大腸癌 / AI / CMS / 内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人工知能(AI)を用いることで、大腸癌の内視鏡画像から治療選択や予後予測に関連する遺伝子サブタイプを予測するシステムの確立を目指す。大腸癌の治療選択や予後予測に関連する遺伝子サブタイプ(CMS分類)が提唱されている。しかし、遺伝子学的特徴の把握には時間的・金銭的コストや、腫瘍内不均一性が問題となる。大腸内視鏡検査は、診断・治療選択を行う上で必要不可欠な検査であり、短時間で腫瘍全体をくまなくスキャンし組織型や深達度の診断を行うことができる。大腸内視鏡画像から遺伝子サブタイプを予測するAI内視鏡診断システムの確立を目指す。具体的には、画像を取得した大腸癌症例に対し、RNAシーケンス、免疫染色およびVISIUM解析を行い、CMS分類の同定を行う。AIを用い、内視鏡画像とCMS分類を学習することで、内視鏡画像から遺伝子サブタイプを予測可能とする。 現在まで、T2癌55例に対し免疫染色によるCMS分類の解析を施行し、論文報告を行った(Molecular and clinicopathological differences between depressed and protruded T2 colorectal cancer, PLoS One. 2022 Oct 20;17(10))。結果は大腸癌の肉眼型毎にCMS分類が異なっており、とりわけ、予後が不良と考えられている、CMS4に分類された症例については、陥凹型大腸癌であり、肉眼型から、大腸癌のCMSが予測可能である可能性が示唆された。更に、早期大腸癌4例に対し、VISIUM解析を行い、遺伝子発現解析を施行し、解析を行った。肉眼型毎に、遺伝子発現が異なり、特に、陥凹型では、CMS4に特徴的な間質反応所見が強く出ていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
T2癌55例に対し免疫染色によるCMS分類の解析を施行し論文報告を行うことができた。現在、追加でT1癌90例に対し、CMS分類の解析を進めている所であり、症例集積は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
CMS解析を行う症例の集積を続ける予定である。2024年度中に追加で100例前後の解析を検討している。特に、早期癌の肉眼型に着目し、解析を進めることで、内視鏡所見からの予測が可能となると考えている。また、予後不良なCMS4大腸癌の内視鏡所見を明らかにできれば、その早期発見、診断に寄与し、大腸癌の予後の改善に繋げられる可能性がある。今後、症例の集積およびAIの学習を進め、分子生物学的特徴を内視鏡画像から診断するAIの構築を進める。
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Causes of Carryover |
本年度にRNAシーケンスおよびVISIUM解析に用いる症例が決まらず、次年度以降に解析を行う予定であるため、次年度に使用させていただく予定としました。
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