2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K16029
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
赤澤 陽一 順天堂大学, 医学部, 助教 (80822006)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 早期胃癌 / 血流速度 / 拡大内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らによるpilot研究では、非癌病変(良性斑状発赤)に比較して胃癌の血流速度は有意に遅いことを明らかにし、胃粘膜微小血管血流診断の有用性について報告した(Ueyama H, Akazawa Y, et al. J Gastroenterol Hepatol.2021)。Pilot研究における血流速度解析は、申請者らが独自に構築した方法で行われたが、より正確かつ客観的なデータ解析のため、富士フイルムとの共同研究にて血流速度を自動計算するソフトウェアのプロトタイプ を開発した。 その後、本ソフトウェアについてその診断制度の検証を行うべく、M-BLIを施行し、胃表層微小血管および血管内を走行する赤血球が視認可能であった早期胃癌 31病変(癌群)および斑状発赤40病変(非癌群)を対象として検証試験を行った。その結果、癌群での血流速度のの平均は、0.95(0.69-1.34)mm/sec、非癌群では12.1(0.80-1.95)mm/secであり、有意差をもって癌群で低い結果であった(P<0.01)。微小血管血流速度自動解析システムのソフトウェアを用いた客観的な評価により、早期胃癌は斑状発赤に比較して有意に血流速度が遅いことが明らかになり、既報の研究結果に矛盾が無いことが確認・検証することができた。また、ソフトウェアの血流診断能と内視鏡医の診断能の比較検討について検討を行い、内視鏡医と同等以上の診断能を有することを明らかにした。これらの研究結果は、第103回 日本消化器内視鏡学会総会、第105回日本内視鏡学会総会、第31回JDDW(第106回日本消化器内視鏡学会総会)、United European GastroenterologyWeek, 2023にて発表を行った。現在さらに多施設共同での研究を行っており、原著論文にて報告を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由 血流速度を自動解析するソフトウェアについて、内視鏡医との診断精度に関する比較検討は未だ行われておらず、申請者らは早期胃癌31病変(癌群)及び早期胃癌と鑑別が必要であった斑状発赤40病変(非癌群)を対象とし、ソフトウェア群と内視鏡医群における診断能の比較検討を行った。ソフトウェア群では、事前に検証した癌/非癌のcut off値(1.09 mm/sec)に準じて診断を行った。内視鏡医は消化器内視鏡学会専門医5名と非専門医4名が動画を閲覧し診断を行った。その 結果、診断能については、ソフトウェア群で、感度/特異度/陽性的中率/陰性的中率=90.3/89.7/87.2/92.3%、内視鏡医群では、専門医:感度/特異度/陽性的中率 /陰性的中率=85.9/87.2/80.0/85.5%、非専門医:70.0/82.7/80.6/71.0%、であり、ソフトウェア群で診断能が良好であることが確認でき、血流速度解析ソフトウェアは、内視鏡医と比較して良好な早期胃癌診断能を示し、早期胃癌に対する新たな診断デバイスとして有用である可能性が考えられた。また、早期胃癌の中での内視鏡医でも診断が困難な胃癌が存在するが(診断困難症例)、診断困難症例に対するソフトウェア診断の有用性についても検討を行い、第105回日本内視鏡学会総会、第31回JDDW(第106回日本消化器内視鏡学会総会)にて報告を行った。これらの研究結果から、血流診断ソフトウェアは新たな診断モダリティとして臨床応用が期待できると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後原著論文の作成を経てソフトウェアの診断精度の向上および臨床応用を目指す。また、癌と斑状発赤についての血流速度解析の有用性についてはある程度検証できたが、そのほかの病変や背景胃粘膜についての解析、他臓器(食道・十二指腸・大腸)などについてもさらなる追加研究を行っていく方針である。
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Causes of Carryover |
当該年度に使用予定の経費に相当するほどは各物品・旅費などの支出が無かったため残額が発生した。今後は現段階の血流解析ソフトウェアの解析制度を向上させた次世代血流解析システムの開発を予定しており、その開発費用として、残額を使用する予定である。
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[Presentation] 早期胃癌の範囲診断と質的診断におけるNBIおよびBLI併用非拡大内視鏡の検討2023
Author(s)
赤澤 陽一, 上山 浩也, 山本 桃子, 岩野 知世, 内田 涼太, 宇都宮 尚典, 阿部 大樹, 沖 翔太朗, 鈴木 信之, 池田 厚, 竹田 努, 上田 久美子, 北條 麻理子, 八尾 隆史, 永原 章仁.
Organizer
第105回日本内視鏡学会総会
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[Presentation] A novel endoscopic modality for microvascular blood flow rate analysis using magnifying endoscopy in the early gastric cancer2023
Author(s)
Akazawa Y, Ueyama H, Uemura Y, Iwano T, Yamamoto M, Uchida R, Utsunomiya H, Oki S, Suzuki N, Abe D, Ikeda A, Takeda T, Ueda K, Asaoka D, Hojo M, Nojiri S, Nagahara A
Organizer
United European GastroenterologyWeek, 2023