2023 Fiscal Year Research-status Report
1型自己免疫性膵炎における細胞外小胞由来miR-21-5pの病態への関与
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22K16032
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中丸 洸 関西医科大学, 医学部, 助教 (20700272)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己免疫性膵炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己免疫性膵炎(AIP)は本邦より提唱された膵炎で全身疾患であるIgG4関連疾患の膵病変と位置付けられる疾患である.その発症には免疫学的機序の関与が示唆されている特異な膵炎であるが,そのメカニズムは不明な点が多い.AIPの病態に関わる獲得免疫の異常,特にTh2型免疫応答と呼ばれる免疫反応が病態の鍵とされる.我々はこれまでに血液中を循環する小胞(細胞外小胞:EVs)中にmiR-21-5pが健常者と比較して高発現していることを報告した.miR-21は免疫細胞に作用しTh1細胞を抑制,Th2細胞を促進することでTh2バランスを誘導するとされており,AIPの発症における役割が大きいと考えた.2023年度は検体収集に注力した.本年度はAIP治療を行った患者の経時的な変化を検討するために計8名,延べ40件のAIP患者の検体を回収した.2022年までに回収した検体を含め最終年度はEVs由来miR-21-5pがAIPの免疫応答特に免疫細胞に与える影響や役割をフローサイトメトリーやELISA法を用いて.EVs由来miR-21-5pが疾患活動性の バイオマーカーになり得るかについてRT-PCRで治療前後など経時的に比較し解析する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
共培養後の解析などを行うための条件設定の実験は遅れているが,検体は十分に用意できており,今後研究を加速する方針である.
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Strategy for Future Research Activity |
健常者の末梢血単核球と共培養を行い,EVsの取り込みを確認し,いずれの細胞への取り込みが行われているかフローサイトメトリーで解析する.条件設定の実験が遅れており,下記の研究を中心に注力する方針である.時間経過ともに患者状態が変化(寛解・再燃など)すると考えるので,EVs中のmiR-21-5pの発現量について解析し,バ イオマーカーとしての有用性を検討する.
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Causes of Carryover |
検体回収に注力したので研究がそれほど進まなかったので,次年度使用金額が生じた.研究に必要な薬剤を最終年度に購入する.
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