2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K16040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
武藤 久哲 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80909127)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Siglec-9 / MMP-13 / 乳歯歯髄幹細胞 / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はマウス由来骨髄マクロファージに対するMCP-1及びsSiglec-9の作用について検討した。MCP-1、sSiglec-9においてSHED-CMと同様にM2マーカーの上昇を認めることが確認された。しかしながらSHED-CMによって生じるMMP-13の発現増加については、MCP-1、sSiglec-9の投与においては生じなかった。sSiglec-9、MCP-1に加えて、HGFも同時に作用させてMMP-13の発現を検討したが、HGFによる発現上昇は起こらなかった。SHED-CM(乳歯歯髄肝細胞無血清培養上清)によるマウス骨髄マクロファージに対するMMP-13発現上昇作用は、MCP-1,sSiglec-9、HGF以外の因子が関与している可能性がある。 一方でCaco-2細胞層に対して、sSiglec-9が容量依存性に保護効果を認めることが確認された。CCl4及び高脂肪食により作成したマウスNASHモデルに対して、SHED-CMまたはDMEMを投与し、その回腸組織からRNA-seqを施行したところ、発現変動遺伝子を566個同定した。GO解析により、「immune system process」「Leukocyte activation」「Lymphocyte activation」などの免疫に関連した遺伝子群に有意な濃縮を認めた。sSiglec-9はこれらの作用への関与が報告されている。HED-CMのNASHマウスモデルへの病態改善メカニズムにおいて、sSiglec-9は有力なkey factorである可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はマウス骨髄マクロファージに対して、従来から知られている2因子(MCP-1、sSiglec-9)にHGFを加えた際の変化について検討したが、明瞭な差は得られなかった。投与量やその他の条件についてさらに検討が必要と考えられる。 またCaco-2細胞における実験を進める予定であったが、細胞の状態が悪く、実験が予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はNASHマウスモデルに対するsSiglec-9の効果をin vivoで検討を行う予定である。またCaco-2に対するsiglec-9の作用についてメカニズム検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は進捗にやや遅れを認めたこともあり、in vitro実験のために予定した予算の次年度使用が生じた。 来年度ではin vivoでの検討も予定しており、予定予算の執行を行う予定である。
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