2023 Fiscal Year Annual Research Report
AIを用いた膵癌の化学療法の治療効果を予測するmiRNAモデルの開発
Project/Area Number |
22K16045
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡田 泰行 徳島大学, 病院, 助教 (60815447)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 膵癌 / バイオマーカー / microRNA / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では膵癌の化学療法の効果を予測するmiRNAパネルを構築することを目的としている。令和4年度は、膵癌症例の血清から採取したmicroRNA199が膵癌の化学療法のkey drugであるgemcitabineの治療効果と関連していることを確認した。令和5年度は抗癌剤治療を行った切除不能進行膵癌13症例を対象に治療前のEUS-FNA により採取した癌組織を用いて、miRNAマイクロアレイによりmiRNA発現を網羅的に解析した。その結果から生存期間と相関するmiRNAを抽出した。次いで 一次治療としてgemcitabine+nab-paclitaxel(GN)療法で治療した切除不能膵癌患者10例の治療前の血清からRNAを抽出し、候補となるmiRNA発現をReal-Time PCR法で定量化し、治療効果との関係を検討した。治療効果はRECICST ver.1.1を用いて評価した。2042個のmiRNA発現データから膵癌の予後と負の相関性を有するmiR-296-5pを同定した(R=-0.749、P=0.003)。次に血液中のmiR-296-5p発現と治療効果を検討した結果、miR-296-5pはGN療法による奏功例を正確に識別した(AUC=0.78)。また、miR-296-5p発現と治療前CA19-9値とを組み合わせることでより高い診断能を得ることができた(AUC=0.83)。miR-296-5pの発現と予後との関係を検討したところ、全生存期間中央値はmiR-296-5p低発現群は高発現群と比較して有意な生存期間の延長を認めた(P=0.02)。さらに、無増悪生存期間もmiR-296-5p低発現群は、高発現群に比べて無増悪生存期間も有意な延長を認めた(P<0.05)。
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