2022 Fiscal Year Research-status Report
虚血性心疾患予後改善のための個別化治療選択モデルの構築
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22K16066
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 弘典 東京大学, 医学部附属病院, 病院診療医(出向) (60792439)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 個別化医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症冠動脈病変を有する患者に対する最適な冠動脈血行再建術、経皮的冠動脈形成術後の最適な抗血小板療法を、患者背景に応じて提供する治療選択決定モデルの作成を目指している。機械学習、統計学的評価を組み合わせることで精度の高い治療選択決定モデルの構築を行っている。また、有用な治療選択決定モデル作成後、そのモデルを前向きに用い、予後の改善が認められるかを検証していく。 冠動脈血行再建術の治療選択モデルにおいては、機械学習をモデル構築に用いることで、従来の統計学的手法のみでは検出されていなかった炎症反応マーカや健康関連のQOL評価なども治療選択において参考となることが明らかになった。また、従来の統計学的評価のみから構築したモデルSYNTAXスコアII2020と比較して、より高い精度で患者ごとに最適な治療を提案できる可能性を見出した。現在は、モデルを作成したデータベース以外のデータを用いての検証を行っており、実臨床において有効に使用できるようにするためにモデルの最適化を行っている。実臨床での有効性を検討するための準備も行っている。 経皮的冠動脈形成術後の最適な抗血小板療法(種類・期間)のモデルに関しては条件が複雑であり、データのクリーニングに時間を要している。冠動脈血行再建術の治療選択モデルで機械学習のアルゴリズムの最適化にも取り組んでいるため、そのアルゴリズムを適応させることで、効率よく治療選択モデルの作成を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
冠動脈血行再建術の治療選択モデルにおいては、治療選択に参考となる新たな因子を同定しているが、実臨床に有効に使用できるモデルとするためにモデルの最適化を行う必要があり、時間を要している。 また、経皮的冠動脈形成術後の最適な抗血小板療法(種類・期間)のモデルに関しては条件が複雑であり、データのクリーニングに時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
冠動脈血行再建術の治療選択モデルにおいては、実臨床において有効に使用できるようにモデルの最適化を行っていく。また、実臨床での有効性の検証も行っていく。 経皮的冠動脈形成術後の最適な抗血小板療法(種類・期間)のモデルに関しては、現在すすめている冠動脈血行再建術の治療選択モデルで最適化した機械学習のアルゴリズムを適応させることで、効率よく治療選択モデルの作成を行っていく。
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Causes of Carryover |
治療選択決定モデル作成のための機械学習アルゴリズムの最適化に時間を要しており、臨床試験のための費用を持ち越しとなっている。次年度にて臨床試験をすすめていく予定である。
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