2023 Fiscal Year Research-status Report
心筋梗塞後治癒機構における新規マクロファージ分画を基盤とした病態解明
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22K16067
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中丸 遼 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (50936086)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
急性心筋梗塞やその後の心不全の発症は依然として社会的な大きな問題で有り続けている。そのメカニズムとしては、心筋壊死後に関与するは2系統のマクロファージが精密に切り替わり、その成否により予後が左右されるが知られている。本研究では、急性心筋梗塞やその後の心不全発症に関する全般的な疫学調査を行うとともに、ST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)症例の血液検体を前向きに採取し、急性期における同マクロファージの血中動態を評価しすることを目的としている。
疫学的には引き続き大規模レジストリ調査データの登録を実施し、詳細な予後検討を進めている(Nakamaru R, et al. Am J Cariol 2023;188:44-51.)。また、その中からSTEMI症例を抽出し、急性期の血液検体の採取を行った。血液のサンプリング後は、パイロット研究においてマクロファージの各サブセットの発現レベルは個体差がみられる結果であったことを踏まえ、本年度では病的モデルマウスなどを用いた機能解析を試みている。次年度以降も引き続き新規マクロファージ分画の機能解析を中心に実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大規模レジストリ調査データを用いた疫学的調査からはかなりの成果が得られている。しかし、血液検体採取後のサンプリング後の解析に関しては、前年度のパイロット研究は予定通り実施されたものの、ヒトにおける新規マクロファージ分画発現の挙動にかなりの個体差がみられ、臨床研究の実装は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は新規マクロファージにおける機能解析に関して基礎的知見の集積を継続し、臨床血液検体採取に関するプロトコル作成を行う方針である。
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Causes of Carryover |
病的モデルマウスなどを用いた機能解析に遅れが生じ、臨床研究の実装に至っていないためである。一方で現時点までの知見について順次学会などで発表する予定であり、予算を計上した。
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