2022 Fiscal Year Research-status Report
代謝物が繋ぐ肺・腸・肝連関に着目した肺高血圧症の新規病態形成機構の解明
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22K16121
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
浅野 遼太郎 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 非常勤医師 (60827004)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 / 門脈圧亢進症 / メタボローム解析 / メタゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
門脈圧亢進に関連した肺動脈性肺高血圧症 (PoPH)は肺動脈性肺高血圧症(PAH)の中でも治療抵抗性で予後不良の難病である。PoPHの腸内細菌叢に注目すると、他のPAHサブグルー プと同様の腸内細菌叢変化を示す一方で、ある特定の細菌群は特徴的に変化していた。PoPHでは、門脈圧亢進とそれに伴う門脈-体循環シャン トの存在が必須で、 腸内細菌叢由来代謝物が肺動脈に直接流入し肺動脈リモデリ ングを誘導すると仮説を立てた。まず我々はPoPH患者の血液及び便検体を集積開始した。中間解析では、PoPH患者では他のPAHサブグループと比較して、血清中の総胆汁酸濃度が上昇していることが明らかとなった。この総胆汁酸濃度上昇は、門脈体循環シャントの影響はあると想定されるが、肝疾患患者の腸内細菌叢では二次胆汁酸機能が亢進しているという報告もあり、PoPHで特徴的な腸内細菌叢においても同様に、二次胆汁酸産生機能が亢進し、肝臓を介さず直接肺に流入することにより肺動脈リモデリングが生じている可能性があると考えた。そこで2023年度には、PoPH患者の便及び血液検体を用いて、ショットガンメタゲノム解析、メタボローム解析、動物実験を実施して、肺高血圧症重症度と関連する細菌とその代謝物(二次胆汁酸など)を探索し、肺動脈リモデリングを誘導する原因物質を探索して、難病PoPH の新しい病態形成機序の解明と新規治療標的を明らかにしたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
希少難病である門脈圧亢進に関連した肺動脈性肺高血圧症患者15例について検体集積が完了した。目標症例数に向けて順調に症例登録が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
集積した検体を用いて、ショットガンメタゲノム解析及びメタボローム解析を実施する。また無菌ラットに肺高血圧症患者由来の腸内細菌叢を移植して、腸内細菌叢が肺動脈性肺高血圧症にもたらす影響を探索し、難病PoPH の新しい病態形成機序の解明と新規治療標的を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症蔓延のため、オンサイトの学会についてウェブ参加となり旅費を次年度に繰り返した。また検体集積を優先し、次年度に解析を網羅的に実施する方針としたため。
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Research Products
(4 results)