2023 Fiscal Year Research-status Report
新規バイオマーカーを用いた脳心血管イベントの長期予後の予測指標の確立
Project/Area Number |
22K16122
|
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
雨宮 妃 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 非常勤医師 (00769854)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 頚動脈 / 病理 / 脳心血管イベント / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
急増する脳心血管イベントを予防するには、個々の疾患病態や予後を予測し治療 (介入)の根拠となるバイオマーカーの探索同定が予測予知医療には開発が急務である。動脈硬化性大動脈瘤の組織を用いた先行研究で、 [NPC2], [IGFBP7], [THBS1]の3つの分子が血中でも動脈硬化病変ともに大きく変動していることをみいだした。頚動脈の病理組織像にて動脈硬化壁 (プラーク)の不安定組織成分と血管壁の脆弱性の相関があることも判った。本研究では、同定された3つの分子の頚動脈プラークの不安定組織成分における分布と血中動態を明らかにする。これらにより、動脈硬化の進行度やプラーク壁の脆弱性(プラーク破裂)により発症する脳心血管イベントの予後予測となる簡便な血中サンプルの新規分子マーカーとしての臨床応用へ発展させることにより、超高齢化社会のニーズに応えることを目指している。2022-2023年度は、ヒトの頚動脈組織における新規バイオマーカーの組織解析プロトコール確認して、最適な条件での免疫染色方において研究を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検討を行った頚動脈組織での新規バイオマーカーの免疫染色を行なった。最終のまとめの段階にある。
|
Strategy for Future Research Activity |
頚動脈組織では有用性が確認できたプロトコールを基本とし、新規バイオマーカーの免疫染色による画像取得を進め、予後との相関を行い、論文作成に進める予定である。
|
Causes of Carryover |
2023年度は、免疫染色に用いる一次抗体、詳細な組織観察のための物品、参考書籍の購入を行った。新型コロナウイルスのパンデミックのため、他施設の研究協力者が移動できなかったことや、施設内の研究協力者の異動などの影響があり、残額が生じた。2024年度は、移動も緩和される見込みで、頚動脈組織の新規バイオマーカーの染色および画像解析を本格化させて、論文作製も行う予定で、2023年度分と合わせて執行する予定である。
|