2023 Fiscal Year Annual Research Report
RNA motionによる細胞間相互作用の時空間的理解への挑戦
Project/Area Number |
22K16131
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 愛巳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (60832045)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | RNA motion / single cell RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
圧負荷モデルマウスの心筋細胞single cell RNA-seqのデータを統合し解析を行った。時系列のsingle cell データを用いることで、pseud timeではなく、実際の時間の流れに沿った、実際の変化を観察することができた。具体的には、圧負荷1週から2週の間では、pathway解析の結果、O X P H O S関連の遺伝子群が、著明に上昇していた。更に、圧負荷2週から4週の間では、pathway解析の結果、抗酸化ストレス関連の遺伝子群が、著明に上昇していた。このことから、圧負荷開始後は、O X P H O Sをこれまで以上に亢進させ、心収縮力を保とうとするも、それが持続すると、R O Sが蓄積し、酸化ストレス応答が引き起こされるようになったと考える。このことは、大動脈弁狭窄症が慢性的に進行する過程あるいは高血圧性心不全が進行する過程で心筋細胞に起きている変化と共通している可能性があると考えられた。心不全患者では、ミトコンドリアが膨化し、クリステの構造が壊れることが知られているが、本研究において見出された、圧負荷によってミトコンドリアにおけるOXPHOSの持続的かつ過剰な亢進によって、ROSが大量発生し、抗酸化ストレス応答が起きるという結果が、心不全患者におけるミトコンドリアダメージの原因の一つとして、関連している可能性が考えられた。今後は、非心筋細胞における変化と関連づけて、これらの及ぼす影響が心臓全体に、どういった働いていくかを明らかにしていきたい。
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