2022 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanism of endothelialization after drug-eluting stent implantation
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22K16133
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森 雅之 金沢大学, 附属病院, 特任助教 (30707526)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 薬剤溶出性ステント / 内皮化 / 血管修復反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタ冠動脈に薬剤溶出性ステントを留置して、留置後の内皮化・血管修復反応の過程を病理学的手法で評価を行った。 薬剤溶出性ステントをブタ冠動脈に3枝にランダムに留置して、5日後と14日後にステント留置冠動脈を回収し、病理標本を作製した。HE染色標本による観察では、留置後5日の段階では、薬剤溶出性ステントの種類に関わらずステント周囲にはフィブリンの沈着や炎症細胞の集簇を認めた。炎症スコアやフィブリンスコアに違いは認めなかった(完成している標本が少ないため、統計的な解析までは至っていない)。しかし、内皮前駆細胞をキャプチャーする抗体が塗布されているステントにおいては、ステントを被覆する内皮細胞様の細胞を認めた。ステント留置後、5日という早い段階で内皮細胞の被覆を認めており、ステントの特性により血管修復反応のスピードに違いがあることが観察された。また、薬剤のコーティングの違いでも、内皮細胞の被覆の違いを認めいた(薬剤が全周性にコーティングされているステントは、片面コーティングのステントより内皮細胞の被覆が少ない印象であった)。留置後14日モデルでは、片面コーティングのステントでは、炎症細胞の集簇やフィブリンの沈着が少なく、血管修復反応のスピードが全周性コーティングのステントより早い印象を受けた(標本数が少ないため、統計解析までは至っていない)。 ステントの設計の違いにより、血管修復反応の過程が異なることが観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度、実験設備の不具合、予定していたブタ購入先が廃業しており新たに購入先を探す等のトラブルで、実験開始が予定より遅れてしまった。そのため、当初の予定より、ブタに薬剤溶出性ステントを留置する実験が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れてしまった動物実験を次年度に行う。 動物実験で得られた病理標本を用いて、組織学的評価を行う。
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Causes of Carryover |
実験開始が遅れたため、使用金額が予定額より下回ってしまった。 遅れてしまった動物実験を次年度で行い、前年度で使用できなかった予算をそれに充てる予定である。
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