2022 Fiscal Year Research-status Report
データ駆動型医療により高齢者心不全診療の質を向上する補助ツールの開発
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22K16141
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永田 拓也 九州大学, 大学病院, 医員 (30914254)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心不全 / 高齢 / 予後予測 / 診療補助ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高齢の心不全患者における予後予測モデルを作成し、作成した予後予測モデルを元に、スマートフォンなどで簡便に利用できる診療補助ツールを開発することを目的とする。この診療補助ツールにより、臨床経験をデータで補われる事で、地域格差の少ない質の高い診療が実現される事が期待できる。 本年度は心不全患者レジストリであるJROADHF (The Japanese Registry Of Acute Decompensated Heart Failure)研究の特性を明らかにするために、JROADHF研究のデータを用いて左室駆出率 (LVEF) レベル別の長期予後を検討した。JROADHF研究は悉皆性の高いJROAD研究の対象者からクラスターランダムサンプリングにより対象者を決定しており、外的妥当性の高さを特徴とする。 当該研究では、収縮能の低下した心不全 (HFrEF, LVEF<40%)、収縮能の軽度低下した心不全 (HFmrEF, LVEF 40-49%)、収縮能の保たれた心不全 (HFpEF, LVEF≧50%) に分けて中央値4.3年間の追跡を行った。各サブタイプの性年齢調整死亡率は、それぞれ16.8、16.1、15.9/100人年(心血管死は9.2、7.8、6.6/100人年、非心血管死はそれぞれ7.6、8.3、9.3/100人年)であった。性年齢調整死亡率は、HFpEF患者に比してHFrEF患者で有意に高かった。いずれのLVEFレベルの心不全においても、心血管死亡率と非心血管死亡率の双方が、依然として高いことが示された。 当該研究は米国心臓病学会JACC誌の姉妹誌であるJACC Asia誌に掲載され (JACC Asia. Mar 07, 2023)、第87回日本循環器学会学術集会で公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リスクモデルの作成に先行し、本邦における心不全の疫学データを明らかにするためにJROADHFの疫学データを論文化した。本研究は高い評価を受け、JROADHF研究のデータの質が国際的にも認められたと考えられる。そのため、研究は概ね順調に推移していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
JROADHF研究のデータを用いて危険因子の探索を行い、高齢の心不全患者における予後予測モデルの作成を進める方針である。
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Causes of Carryover |
本年度に行った解析ではデータマネジメント業務が不要であったため、必要なデータメネジメント業務は次年度に行うこととした。加えてデータベース管理者との交渉で、データサーバー使用料、データ使用量を無料で提供いただけたため、本年度の使用額は予定を下回った。次年度はデータマネジメント業務に加えて統計解析業務の委託を行うことで研究を円滑に進めることを予定している。
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[Presentation] Long-term outcomes of heart failure patients with preserved, mildly reduced, and reduced ejection fraction: JROADHF2023
Author(s)
Takuya Nagata, Tomomi Ide, Tohyama Takeshi, Hidetaka Kaku, Nobuyuki Enzan, Shoji Matsushima, Masataka Ikeda, Shunsuke Katsuki, Yasuhiro Nakano, Toru Hashimoto Tetsuya Matoba, Koji Todaka, Hiroyuki Tsutsui
Organizer
第87回日本循環器学会学術集会