2022 Fiscal Year Research-status Report
急性心不全患者における、新規腎障害バイオマーカーAIMの臨床的意義に関する検討
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22K16152
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
前田 大智 大阪医科薬科大学, 医学部, 非常勤医師 (10791246)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 心不全 / 腎不全 / バイオマーカー / 心腎連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全は腎臓を含む様々な臓器に影響を与え、急性心不全の約30%に急性腎障害を併発することが報告されている。心不全患者に急性腎障害が併存した場合の予後は著しく不良だが、特異的な治療は存在しない。 AIM (apoptosis inhibitor of macrophage) は、マクロファージにより産生される血中蛋白質である。通常は分子量の大きな免疫グロブリンM (IgM) 五量体と結合しており、糸球体を通過できない。しかし、急性腎障害が生じるとAIMがIgMから解離し、血中の遊離AIMが急激に増加する。遊離AIMは糸球体で容易に濾過され尿中に移動し、近位尿細管を閉塞させている壊死細胞に付着することで貪食細胞による壊死細胞の貪食を促進させ、尿細管上皮細胞の早期回復を促す働きを持つ。このようなユニークな特徴により、治療薬として期待されている。 本研究では、順天堂大学附属病院前向き多施設レジストリ (J-HHF) に登録された心不全入院患者の血液、尿サンプルを用いて新規腎マーカーであるAIMを測定し、心不全患者における、①AIM高値患者の特性、②AIMと他の腎障害マーカーとの関連、③AIMと予後の関連、を明らかにすることを目的としている。心不全におけるAIMの臨床的意義が明らかになれば、心不全患者のAKIの早期診断や正確な予後予測が可能なバイオマーカーの考案、未だ存在しないAKI治療の開発、さらには心不全だけでなく心筋梗塞や心筋症の病態や進行に関するメカニズム解明の一助になると考える。 本年度の予定は患者登録であり、2023年3月時点で、487例の登録がされている。2022年度と2023年度で患者登録を行い、目標600例を見込んでいる。その後、AIMの測定、解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者登録が円滑に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の患者登録は円滑に進んでおり、来年度も引き続き患者登録を行っていく予定である。その後、AIMの測定および、AIMと他の腎マーカーとの関連、予後との関連を解析、検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
バイオマーカー測定を予定していたが、症例登録が完了次第まとめて行うこととしたため、次年度使用額が生じた。症例登録が完了次第、使用する予定である。
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