2022 Fiscal Year Research-status Report
既喫煙喘息におけるレドックスバランスと炎症基盤の観点から見た新規治療戦略の検討
Project/Area Number |
22K16160
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京極 自彦 東北大学, 大学病院, 助教 (20849400)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 既喫煙喘息 / ニトロ化ストレス / レドックス不均衡 / CD161+Treg |
Outline of Annual Research Achievements |
喘息の重症化の一因としてタバコ煙曝露があるが、既喫煙喘息は慢性閉塞性肺疾患 (COPD)を有さないにも関わらず症状の不安定化や呼吸機能の悪化を呈することが知られている。既喫煙喘息にCOPDを有する場合ACOに該当し、レドックス不均衡および好中球性気道炎症の増強することが分かっているが、一方でCOPDを有さない既喫煙喘息については、詳細な分子機序については不明である。本研究ではレドックス不均衡や制御性T細胞(Treg)の機能に着目し既喫煙喘息の難治化病態を解明することを目的とした。 非喫煙喘息及び既喫煙喘息それぞれのコントロール良好群、コントロール不良群の誘発喀痰を用いた免疫組織化学による検討を行った。気道中のニトロ化ストレスの評価として、3-ニトロチロシン(3-NT)に対する免疫組織化学を行ったところ、他の3群に比較し有意にコントロール不良既喫煙喘息で3-NT陽性細胞の割合の増加を認めた。 TregサブセットであるCD161+memoryTregはIL-17を産生する主要サブセットであることが報告されている。そこでCD161+memoryTregと既喫煙喘息病態との関連を検討するため、患者由来の末梢血単核球細胞(PBMC)を採取しフローサイトメトリーにて解析したところ、コントロール不良既喫煙喘息患者では、コントロール良好既喫煙喘息患者と比較してCD161+memoryTregの割合が増加していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フローサイトメトリーを用いたTregサブセットの分離を行うための条件検討に時間を要したため、想定した進捗状況より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、喀痰上清中の活性イオウ分子種を特異的蛍光プローブ(SSP-4)で定量することを検討している。PBMCを用いた検討では、引き続きフローサイトメトリーでCD161+TregとCD161-Tregの分離を進め、RNAシーケンスを行う方針である。
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Causes of Carryover |
本年度は免疫組織化学やフローサイトメトリーを用いた実験が中心であった。研究室・学内の既存資源を効率よく使用することができたため予想より少ない額で実験が進んだ。次年度は、RNAシーケンスの実施や市販の蛍光プローブを購入し実験を進める予定である。
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Research Products
(1 results)