2022 Fiscal Year Research-status Report
急性肺障害における骨髄由来間葉系幹細胞エクソソームの治療応用可能性の検討
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22K16164
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
内藤 亮 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20791479)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 急性肺障害 / 骨髄由来間葉系幹細胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、骨髄由来間葉系幹細胞( bone marrow-derived mesenchymal stem cell: BM-MSC)由来のエクソソームが急性肺障害(ALI/ARDS)を改善しうるのか、改善しうるのであればどのような機序で、骨髄細胞、末梢血単核球、肺胞マクロファージのどのレベルで作用しているのか解明することである。 また、エクソソームは生体の各種細胞間情報伝達物質と認知されており、呼吸器系の障害が生じた場合、エクソソームを含む何らかの液性因子による骨髄への情報提供・教育が行われ、その情報を受けて骨髄から炎症性細胞が肺局所に動員されている可能性がある。しかし、急性肺障害を含む呼吸器疾患でそのような骨髄教育機構が存在しているかは仮説の域を出ない。 現在、急性肺障害を含む多くの呼吸器疾患において主役となりうる候補microRNAの探索が盛んに行われており、その治療応用としてBM-MSC エクソソームのCargo microRNAによる病態改善効果に関する情報も蓄積しつつある。本研究課題は、その命題に迫る価値ある計画と位置づけられるとともに、本研究によりエクソソームの臨床適用に近づくことが期待される。 BM-MSCエクソソームの調整条件の探索、マウスLPS気管内投与モデルへのBM-MSCエクソソーム投与実験を行いつつ、フローサイトメトリーやマルチオミクス解析を用いて、BM-MSCエクソソームの単核球・マクロファージ分化への影響や、BM-MSCエクソソームの単核球・マクロファージへのシグナル伝達機構について解析を進めて行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験計画書の承認取得後、BM-MSC を種々の培養条件で調整し、LPSを気管内投与したALI/ARDSモデルマウスに投与した。BM-MSCの培養時の酸素濃度の違いにより、体重やBAL所見に違いがみられる傾向があることを確認した。COVID-19パンデミックの影響により、研究実施不能期間を年度内に生じたが、全体としては概ね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
継続してBM-MSC の培養条件の違いでのALI/ARDSモデルマウスへの効果の違いを検証していく。 さらに、BM-MSCエクソソームの単核球・マクロファージ分化への影響やBM-MSCエクソソームの単核球・マクロファージ分化シグナル伝達機構解析について、フローサイトメトリーやマルチオミックス解析を用いて解析を進めて行く方針である。 引き続き、豊富な実験手技・経験を有する千葉大学大学院疾患生命医学の教官からの協力を得ながら、実験を進めて行く
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Causes of Carryover |
COVID-19パンデミックの影響により、研究実施不能期間を年度内に生じたため。
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