2022 Fiscal Year Research-status Report
RNA認識受容体の2型自然リンパ球制御機構から見た気管支喘息新規治療探索
Project/Area Number |
22K16165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 崇史 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (30803118)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 気管支喘息 / 自然免疫系 / 2型自然リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
野生型マウスとMDA5KOマウスから2型自然リンパ球(ILC2)を分離するためにマウスにIL-33を点鼻投与し、一定期間後に気管支肺胞洗浄液と肺を回収した。気管支肺胞洗浄液中の好酸球は両群で顕著な差は認めなかった。回収肺に酵素処理を行うことで単細胞懸濁液を得て蛍光抗体を用いてILC2を分離した。肺ILC2総数に関しては両群で軽度の相違が示唆された。 分離したILC2を細胞培養プレートに播種し、IL-33やRNA系自然免疫受容体活性化物質(5’ppp-RNA, HMW polyI:C)を用いて刺激し、一定時間経過後に細胞上清とRNAを回収し、IL-13タンパク濃度や遺伝子発現をELISA, qPCR法で測定した。 結果、野生型マウスILC2においてIL-33刺激により期待通りにIL-13が高濃度に分泌される事を確認した。一方、MDA5KOILC2ではIL-13濃度に軽度の差異が認められた。5’ppp-RNA, HMW polyI:C刺激ではIL-13は微量産生にとどまった。qPCRではIL-13では上記所見に矛盾しない結果が得られた。ILC2は高度に放出するとして有名なIL-5/IL-13以外にも様々なサイトカイン含めた液性因子を産生するが、現在その他の遺伝子に関して検討している。 また、アレルゲンを用いた気管支喘息モデルの作成と表現型解析は、一部完了している。 今後はRNA系自然免疫受容体活性化物質刺激によるILC2活性変化の生体内における役割や、RNA系自然免疫受容体自体がアレルギー性気道炎症のどのように関与するかを解明していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ILC2分離に関しては問題なく進行できており、気管支喘息モデル作成も概ね問題なくできている。多くのILC2を得るためにIL-33を使用しているが、使用せずに分離できるのであれば比較対象として有用であり、検討が必要かもしれない。また、共培養系システムの確立にもやや時間を要する見込みではあるが、総合的には順調な範囲と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画からの大きな変更は行う必要はないと考えている。 (1) ILC2の核酸構造物/死細胞由来核酸による応答解析の続き (2)ILC2核酸認識に関する生体内での役割の解明(一部の気管支喘息モデル作成は完了している) を主軸に実験を継続していく。
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Causes of Carryover |
今回は残存していた実験器具類、消耗品を活用して当初行っていたため消耗品類がやや少なく済んだため一部次年度使用額が生じたが、今年度はソーターチップなど高額消耗品類が発生するため、合わせて使用する予定としている。
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