2023 Fiscal Year Research-status Report
閉塞性睡眠時無呼吸で惹起されるミトコンドリア機能異常のメカニズムとその影響の検討
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22K16169
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
濱田 哲 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (20813869)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 閉塞性睡眠時無呼吸 / ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)においてミトコンドリアメタボロミクスを行い、新たなバイオマーカーや治療標的を探索することである。OSAは、睡眠中に繰り返し生じる間欠的/持続的低酸素血症を特徴とするが、鼾だけでなく、不眠、日中の過度な眠気、倦怠感、睡眠休養感の欠如(非回復性睡眠)など様々な症状を呈する。睡眠休養感の欠如や日中の倦怠感などの症状は、OSA合併の有無と関係なくミトコンドリア機能異常との関連性が指摘されている。OSAの治療のゴールドスタンダードは持続陽圧呼吸(CPAP)療法であるが、同治療による上記症状の改善の程度は異なることが知られている。そのためOSAにおいてCPAP療法前後のミトコンドリア機能の変化をより明確に評価できる集団を見出すために、2022年度と同様にCPAP療法を行っている症例の症状に関する調査を行った。結果、CPAP療法を行っている670人の患者において、アドヒアランス良好である割合は69.7%であったが、睡眠休養感が得られている頻度は14.3%であった。またCPAP療法を行っている386人の患者において、CPAP療法前後の日中の眠気について調査を行った所、CPAP療法後も日中の眠気が残存している(残遺眠気)頻度は9.4%であった。いずれも論文を作成、投稿し、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
以上の結果から、OSAが非常にヘテロな集団であることが判明し、ミトコンドリアメタボロミクスを行う上では症状の推移に注目する必要があることが判明した。そのため現在メタボロミクスを行う研究の倫理委員会申請書を作成中である。また並行して、より効率的なミトコンドリア単離技術の確立を目指した検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
CPAP療法中の症例の症状に関する調査を行った結果、OSAが非常にヘテロな疾患であることが判明した。そのためミトコンドリアメタボロミクスを行う上では、症状の推移に注目して症例集積を行う必要があり、その点も踏まえて倫理委員会申請書を修正する必要があり、現在作成を行っている。また並行して、より効率的なミトコンドリア単離技術の確立を目指した検討を行っている。
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Causes of Carryover |
患者検体を用いたミトコンドリアメタボロミクス研究を開始できておらず、次年度使用額が生じた。臨床研究を行うにあたっての倫理委員会申請書類作成ならびに申請を早急に行い、ミトコンドリアメタボロミクス研究を推進させていく計画としている。
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