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2022 Fiscal Year Research-status Report

ARDS治療を指向したROCKの新規血管透過性制御機構の解明

Research Project

Project/Area Number 22K16175
Research InstitutionOita University

Principal Investigator

赤嶺 孝祐  大分大学, 医学部, 助教 (60799435)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
KeywordsROCK / 血管透過性 / ARDS
Outline of Annual Research Achievements

肺がドライに保たれ、ガス交換が正常に営まれるためには、肺胞の隔壁機能が維持され、水溶性分子に対する透過性を低く保つことが不可欠である。この隔壁機能が障害を受けた場合、貯留した液体成分により肺での酸素取り込みが障害され、ARDS(acute respiratory distress syndrome,急性呼吸促迫症候群)などの重篤な呼吸不全に陥る。肺胞隔壁において、肺血管内皮細胞は血管内と肺組織との隔離に寄与することで、肺組織の恒常性維持に関わっている。この隔壁機能には、細胞間接着分子とその裏打ちに存在するアクチン細胞骨格が重要な役割を担う。アクチン細胞骨格の再編成にはRho-ROCKシグナリングが深く関与することが知られている。我々が作出したROCK1/2遺伝子欠損マウスでは肺で顕著な血球細胞の漏出が確認され、酸素飽和度が有意に低下していることが確認された。そこで本研究では、肺隔壁機能維持へのROCKおよびアクチン細胞骨格再編成の役割を明らかにすることを目的とする。ROCK1/2遺伝子欠損マウスの肺切片の重合アクチンをファロイジンを用いて染色した結果、ROCKノックアウトにより重合アクチンの量が低下していることが明らかとなった。また、ROCK1/2遺伝子欠損マウスの肺をから抽出したタンパク質をwestern blot法により解析した結果細胞接着に関わるp120-cateninの量が低下していることが明らかとなった。今年度の結果からROCKがアクチン細胞骨格を制御することで肺隔壁機能維持に寄与することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度の大きな目標であったROCKノックアウトによるアクチン細胞骨格の変容や細胞接着因子であるp120-cateninへの影響が明らかとなったためおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

当初の予定通りに
1.網羅的遺伝子発現解析によるROCKの血管透過性亢進に果たす役割の検討
2.血管内皮細胞と線維芽細胞・細胞外マトリックスの機能的連関へのROCKの関与を検討
を行うことでROCKが肺隔壁機能維持に寄与する詳細なメカニズムを明らかにする。

Causes of Carryover

当初の予定では、細胞接着因子だけでなく血管透過性に寄与するCdc42、Rac、Rap1などにも着目して検討する予定であったが本年度はROCKノックアウトによる変容が認められたp120-cateninに着目した検討を優先した。次年度に他の因子に関しても検討予定なのでその研究費用として次年度使用額分の研究費を使用する。

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Published: 2023-12-25  

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