2022 Fiscal Year Research-status Report
加齢による気道上皮細胞の変化が気道炎症を制御するメカニズムの解析
Project/Area Number |
22K16182
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
折茂 圭介 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, リサーチアソシエイト (50794369)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 気道上皮細胞 / Ⅱ型肺胞上皮細胞 / 加齢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は、高齢者の呼吸器疾患における病態メカニズムを明らかにし、新たな治療標的を探索することである。予備検討の結果から、申請者らは、気道上皮構成細胞が加齢によってその構成割合や表現形をダイナミックに変化させて、実際呼吸器疾患の病態に影響を与えている可能性が高いと考えている。 1. 2週齢、8週齢、35週齢の野生型マウス肺を用いて解析基盤の確立として、cell sortrerを用いて2型肺胞上皮細胞、気道上皮細胞などの組織構成細胞の分離方法の確立、sortingのためのgating作成を行った。 2. 解析基盤の確立ができた後に各気道上皮構成細胞をマウス肺から単離して、少数細胞からでも可能なキットを用いてRNA-シーケンスを行い、細胞の遺伝子発現の変化の網羅的解析を行った。結果として、2型上皮細胞では、年齢依存的に発現変動する遺伝子群が8週齢マウスをコントロールとして35週齢マウスは362遺伝子、2週齢マウスは747遺伝子、気道上皮細胞では年齢依存的に発現変動する遺伝子群が8週齢マウスをコントロールとして35週齢マウスは124遺伝子、2週齢マウスは1111遺伝子だった。以上の結果により、加齢による気道構成細胞の性質の変化は、幼若マウスと比較すると加齢マウスのほうが小さいことが示唆された。現在、35週齢マウスにおいて各細胞で変動が確認できた遺伝子群が関連するpathwayについて更に詳細に解析をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RNA-シーケンスのための解析基盤が確立でき、解析が行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
レポーターマウスを用いた、主要なサイトカイン産生/放出の変化が週齢によって異なるのかの確認、ヒト気道上皮細胞を用いた、加齢による気道上皮細胞の変化の機序の確認は並行して行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験の進捗に伴い、必要な物品費が変動したため。
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