2022 Fiscal Year Research-status Report
Identification of specific macrophage subtypes in idopathic pulmonary fibrosis
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22K16190
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池添 浩平 京都大学, 医学研究科, 助教 (90771733)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / マクロファージ / 単球 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では特発性肺線維症(Idiopathic pulmonary fibrosis; IPF)において、肺胞/マクロファージ系の細胞が、線維化病態へ密接に関与しているとの仮説を検証する。目的としては、IPF患者の末梢血中及び気管支肺胞洗浄液中の単球/マクロファージ系の細胞から、マスサイトメトリーを用いてIPFに特異的なサブタイプまたは関連タンパク質を同定し、さらに、細胞サブタイプや関連タンパク質と、臨床指標や画像指標との関連を検証することである。 予備検討としてまず、気管支肺胞洗浄液を用いてフローサイトメトリーを行なったが、気管支肺胞洗浄液中の細胞は、症例によって細胞数が大きく異なり、上記の目的を得るための細胞数が確保できない可能性があること、また細胞以外にも液中にdustが多く含まれることがあり、最初に検討する検体としては、気管支肺胞洗浄液よりも、細胞数が一定しており、また検体を取得しやすい末梢血検体を用いて検討することとした。 健常者コントロールの末梢血から末梢血単核細胞(PBMC)を分離し、研究者の所属施設である京都大学のマスサイトメーターを用いて機械を作動させる講習を受け、研究を開始させる準備を整えた。 更に、単球/マクロファージを分類する表面マーカーだけでなく、以下も評価できないか検討中である。①線維芽細胞の前駆細胞と考えられているfibrocyteの評価を行なう、②IPF患者の進行を予測するサブタイプまたは蛋白質を同定するため、6か月または1年後の検体も検討して縦断的な評価を行なう、③細胞老化、DNA傷害など、細胞内蛋白も同時に評価する。④単球/マクロファージ系だけでなく、リンパ球等の他の炎症細胞の評価も行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究ではマスサイトメトリーを使用する予定であるが、マスサイトメトリーにおいては、同時に40種類以上の抗体を分析できる。具体的にどのような抗体を選択するのか、抗体パネルの選定が最も重要な過程である。単球/マクロファージ系の細胞は、従来M1/M1マクロファージという分類がされてきたが、近年数多くのサブタイプが報告されており、従来の分類方法が妥当なのか、検討が必要である。また近年のマスサイトメトリー研究においては、細胞表面マーカーだけでなく、細胞内タンパク質の評価を行なうことで、病態に関与するマーカーの探索も可能であると報告されている。以上より、抗体パネルの選定を慎重に行う予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
抗体パネルの選定は重要な過程であるため、今後は、マスサイトメトリーの経験のある研究施設との共同研究を模索している。また、研究者の別のプロジェクトでIPF肺組織から得られたマクロファージのRNA-seq解析を予定しており、解析データを参照できる可能性がある。
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Causes of Carryover |
理由① マスサイトメトリー研究の様々な可能性が報告されており、当初より抗体パネルの選定に時間がかかっている。理由② 2022年度のCOVID-19の流行により、検体の集積が計画より遅れている。 上記理由により研究進捗が遅れているが、他の施設との共同研究計画を検討しており、令和5年度には研究を進捗できると考えている。
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