2022 Fiscal Year Research-status Report
Molecular profiling and elucidation of the mechanism regarding small cell carcinoma transformation in EGFR-positive lung cancer
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22K16205
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
内堀 健 公益財団法人がん研究会, 有明病院 呼吸器内科, 医長 (40633053)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SCLC転化 |
Outline of Annual Research Achievements |
EGFR変異陽性肺癌において、小細胞癌(SCLC)転化によってEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)に耐性を生じた症例の臨床サンプルを用いてRNAseqを行った。ASCL1、NeuroD1、POU2F3などのNEマーカーの発現パターンを解析中であり、標準的なSCLCとの差を評価できることが期待される。また、NEマーカーのパターン解析については、新鮮凍結検体のmRNA解析が標準ではあるが、コンスタントにそのような検体を採取できるとは限らない。ASCL1、NEUROD1などの評価は免疫染色(IHC) でも可能という知見が蓄積されており、RNAseqを行えないサンプルではIHCによる評価を試みる予定であり、解析対象を拡充することが可能と考えられる。SCLC転化の際には、先行研究によるとRB1とTP53の機能喪失が特徴であると理解されてきたため、その点についてもIHC等による評価を組み合わせて検証する。ヒト検体を用いた検討に加えて、EGFR変異肺がんモデルマウスを用いた検討も行った。マウスEGFR-del19変異を発現するマウス肺がん細胞株を用いてCrispr-cas9のシステムにより、RbとTP53のノックアウトを導入した細胞を樹立した。その細胞を同系マウスに移植してEGFR-TKIで治療し、耐性となり再増大してきた腫瘍を取得し、耐性メカニズム解析を進めている。 実臨床においても、EGFR-TKI耐性時にSCLC転化と腺癌のままの細胞が同一領域に混在した症例や、SCLC転化症例に対してプラチナ製剤+ICIを使用した症例をなど経験し、引き続き解析対象を蓄積している。SCLC転化はEGFR-TKI耐性の5-10%で生じるが、細胞生物学的な特徴は十分に解明されておらず、その最適治療が確立していない。以上の結果がその解決に寄与すると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①SCLC転化細胞におけるNEマーカーの発現パターン解析:EGFR-TKI耐性時の再生検検体のうちSCLC転化をきたした症例のRNAseqを施行し、結果の解析を行っており、予定通りの進捗と考えられる。 ②SCLC転化前細胞におけるNEマーカー転写パターン解析:NEマーカーのパターン解析については、新鮮凍結検体のmRNA解析が標準ではあるが、転化前の再生検からそのような検体を採取できることは非常にまれである。一方でASCL1、NEUROD1などの評価は免疫染色でも可能という知見が蓄積されており、対象症例において染色作業を検討している。 ③実臨床でSCLC転化した症例をICI治療した例が存在した場合の詳細解析:SCLC転化症例に対してプラチナ製剤+ICIを使用した症例を経験したため、計画の通りその効果を確認することが可能である。 ④EGFR変異肺がんマウスモデルを用いて、RbおよびTP53をノックアウトした細胞株を樹立し、in vivoでのEGFR-TKI耐性腫瘍の取得に成功した。現在そのメカニズムを解析している。
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Strategy for Future Research Activity |
SCLC転化細胞、転化前細胞におけるRNAseqやIHCの解析結果を検討したのちには、診断時からSCLCであった症例の検体と比較することを計画している。また、SCLC転化症例に対してプラチナ製剤+ICIを使用した症例を経験したため、その効果を確認するとともにICI開始前に採取された生検検体を用いて腫瘍内T細胞のレパトア解析を試みることを予定している。SCLC転化はEGFR-TKI耐性の5-10%と希少な対象であるため、ひきつづきEGFR-TKIに対して耐性を生じた症例から再生検を施行し、SCLC転化を生じた症例の集積を継続している。また、樹立したRbとTP53を欠損させたmEGFR肺がん細胞を用いて、進行中のEGFR-TKI耐性機構の解析を継続するとともに、SCLC転化に必要な因子の探索も並行して進める。
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Causes of Carryover |
海外から輸入して購入する予定だった試薬の一部が年度内に届かなかったため、次年度すぐに購入して研究を継続実施する。
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