2023 Fiscal Year Research-status Report
Molecular profiling and elucidation of the mechanism regarding small cell carcinoma transformation in EGFR-positive lung cancer
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22K16205
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
内堀 健 公益財団法人がん研究会, 有明病院 呼吸器内科, 医長 (40633053)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | SCLC転化 / EGFR陽性肺癌 / 免疫チェックポイント阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
小細胞癌(SCLC) 転化に対する薬物治療例について、16例の臨床経過を後ろ向きに解析した。肺癌初回診断時からの生存期間中央値は47.2ヶ月で、SCLC転化後については11.1ヶ月であった。SCLC転化判明直後の薬物治療としてプラチナ+エトポシド(CTx)が7例、CTx+免疫チェックポイント阻害剤(IO)が9例で行われ、PFS中央値はそれぞれ3.3ヶ月、4.8ヶ月とIO併用でやや良好な結果であったが、症例数は少なく有意な結果とはいえない。IO併用の意義を検討するためにはさらなる症例の集積が必要であると考えられる。 これらの症例において、生検組織からRNAseqなど遺伝子解析を行い、生データの取得を完了した。今後ASCL1などNEマーカーを中心とした解析から、SCLC転化症例に一貫した特徴が見出せるか、薬物治療への反応性を左右する要因を見出せるかについて検討する。ただし、臨床応用を目指す際には、通常の生検検体での腫瘍量やturn-around timeの面で難がある。そこで並行して免疫染色によるSCLCのサブタイプ分類も進めている。免疫染色でもASCL1など転写因子による分類は可能であることが明らかになってきているため、手法の簡便さからより実現性が期待されると考える。 一方でSCLC転化以外の耐性機構としてT790M/C797S変異があるが、in vitroにおいてBrigatinib+抗EGFR抗体の投与をに対して、EGFR L718位などの4次変異が出現して耐性が誘導されることを見出した。この4重変異体EGFRについては、薬剤スクリーニングを施行して、大環状構造を持つEGFR阻害剤であるBI-4020が阻害活性を有していることを明らかにし、論文発表を行った(Uchibori K and Suzuki M, et al. NPJ Precis Oncol. 2024)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EGFR阻害剤治療におけるSCLC転化症例を順調に集積できており、それによって免疫チェックポイント阻害剤を含んだ治療の反応性を評価できている。SCLC転化と診断された時の検体を用いて、それらの症例に対する薬物治療への反応性を左右する要因を見出せるかについて検証する解析を計画し開始できており、予定された成果が挙げられていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
EGFR阻害剤治療におけるSCLC転化症例をさらに集積し、本研究の意義をより拡大することを目指していく。引き続き、ASCL1などNEマーカーを中心とした解析から、薬物治療への反応性を左右する要因を見出せるかについて検討する。また、SCLC転化前後における腫瘍細胞のExome解析、RNA seqとATAC seqを実施し、両者の比較によってEGFR陽性肺癌のSCLC転化に関連すると思われる遺伝子(群)を特定する。さらに、SCLC転化時点の検体を用いたRNA seqによってNEマーカーの発現パターンを解析することで、標準的な従来のSCLCとの差異があるかを明らかにすることを目指す。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が無いため、記入しない。
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Research Products
(2 results)