2022 Fiscal Year Research-status Report
COL4A5遺伝子におけるNon-Glyミスセンス変異の病態発症機序解明
Project/Area Number |
22K16218
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
青砥 悠哉 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30857602)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | COL4A5 / non-Gly変異 / スプライシング / 三次元構造解析 / Proline / Hydroxyproline |
Outline of Annual Research Achievements |
自件例と既報の疾患データベースであるHuman Gene Mutation Database(HGMD)に登録されている変異から、COL4A5遺伝子のCollagenousドメイン内に存在するnon-Gly変異を計43変異抽出し、その中から病的変異として信頼性の高い21変異を対象変異として解析を行った。まず、対象変異に対して、自件例では患者血液から抽出したゲノムDNAを用いて、HGMDに登録されている変異はMutagenesisにより対象変異をコントロール検体に導入し、それぞれをminigene constructを用いて解析を行った。結果、21変異中、9変異でスプライシング異常が発症機序に関与していることを明らかにした。次に、スプライシング異常が否定的な変異の特徴を確認した所、12変異中、6変異はProline(Pro)のミスセンス変異であり、全てがY位に位置していた。Collagenousドメインでは、Gly-X-Y(X, Yは何らかのアミノ酸)とGlyが規則正しく3つ毎に規則正しく繰り返し位置し、Y位にProが位置する場合は、翻訳後修飾によりProがHydroxyproline(Hyp)に置換され、Collagen蛋白の安定性に寄与していると報告されている。そのため、三次元構造解析を行いHypの機能を評価した。結果、ProはHypに翻訳後修飾されることで、Collagen分子の安定性に寄与していることを確認した。続いて、Y位に位置するProが置換されたミスセンス変異でも三次元構造解析を行ったが、3つの変異では安定性に異常をきたしたが、1つの変異では安定性に影響を認めなかった。その他、2変異がCollagenousドメインでGlycin(Gly)が規則正しく3塩基毎に繰り返さないinterrupted domain内の変異であった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Y位に位置するProのミスセンス変異はCollagenousドメインの安定性に影響が出るため、病原性を示すと予測し、三次元立体構造解析を行ったが、病的変異と考えられる一部の変異において、構造の変化を認めなかった。三次元立体構造解析の方法を見直して、適切な解析結果が得られるかを現在も確認中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
三次元立体構造解析結果が事前の予想に反して、良い結果が得られていないため、解析方法や結果の解釈方法を検討していく予定である。また、in vitro解析においても、COL4A3/COL4A4/COL4A5の蛋白機能解析を行えるように準備を進めていく予定である。
|
Causes of Carryover |
三次元立体構造解析で十分な解析結果が得られず時間を要しており、その次に行う予定のin vitroの解析に必要な試薬等を購入していないため、助成金の請求額と助成額に乖離ができております。今年度は試薬等を当初の予定通りに購入する予定ですので、余剰分の研究費も含めて使用する予定です。
|
Research Products
(1 results)