2022 Fiscal Year Research-status Report
IgA腎症におけるAPRIL/BAFFを介した腸管粘膜免疫応答異常の解明
Project/Area Number |
22K16226
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
狩野 俊樹 順天堂大学, 医学部, 助教 (00866733)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 粘膜免疫応答異常 / 糖鎖異常IgA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、IgA腎症の病態における腸管粘膜を介した糖鎖異常IgA(Gd-IgA1)の産生機序を解明することを目的とする。 無菌環境の8週齢のIgA腎症発症マウス(無菌マウス)に対して血清のIgA, Gd-IgA, IgG-IgA免疫複合体(IC)や尿蛋白を測定し、腎組織の評価を行ったところ、血清IgA, Gd-IgA, IgG-IgA ICに関して、通常環境のマウスに比較して、著明な低下を認めた。また、腎組織においても、有意なIgA沈着の低下と尿蛋白の低下を認めた。 また、無菌環境のIgA腎症発症マウスの上気道関連リンパ組織(NALT)、腸管関連リンパ組織(GALT)のそれぞれの細胞を分離して培養を行い、その上清におけるIgA, Gd-IgA, IgG-IgA ICを測定したところ、同様に、IgA, Gd-IgA, IgG-IgA ICに関して、通常環境のマウスに比較して、著明な低下を認めた。 これらのことから、外来抗原の粘膜免疫への感作が、IgA腎症におけるGd-IgA産生系を誘導することが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
徐々にマウスでのIgA腎症における腸管粘膜免疫応答異常について、解明が進んできているが、ヒトへの応用への準備がまだ進んでいない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当院におけるIgA腎症グループとして、役割分担を果たす必要がある。倫理委員会などを通して、ヒトへの応用について進めていく。
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Causes of Carryover |
次年度は、今年度以上の測定費、無菌環境への委託費が計上されるため、繰越が多くなっている。次年度に特に多くの使用額が計上される予定である。
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