2022 Fiscal Year Research-status Report
消化管ホルモンによる急性腎障害軽減効果のメカニズムの検討
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22K16232
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 真司 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80913699)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 急性腎障害 / 消化管ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
急性腎障害は急激な腎機能低下を特徴とする症候群であり、多種多様な臨床場面において生じ得る臓器障害である。入院患者の約10%、ICU患者の約半数が合併するとされる急性腎障害があらゆる症例の予後を悪化させることは数多くの疫学研究で報告されており、さらに急性腎障害を発症するとその後慢性腎臓病さらには末期腎不全に進展し得ることも大きな問題である。近年、消化管ホルモンの投与が急性腎障害に対して保護的に働くことが動物実験で報告されているが、そのメカニズムは不明である。申請者は、過去の研究実績から、消化管ホルモンは神経系と免疫系の相互作用を介して急性腎障害に対して保護的に働く、という仮説を立て、本研究ではこの仮説が正しいかどうかを検証することを目的とした。今年度においては、消化管ホルモンXが複数の急性腎障害モデルで保護的に働くことを見出したが、既報がある消化管ホルモンYについては腎保護効果が確認できず、現在投与プロトコルをさらに検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の急性腎障害モデルで保護的に作用する消化管ホルモンを同定できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の計画通り、腎保護効果を有する消化管ホルモンについて、遺伝子改変マウスやoptogeneticsを利用し、関与する神経回路などメカニズムの解明をおこなっていく予定である。
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Causes of Carryover |
概ね計画通り進行しているが、実験の性質上、次年度により研究費が必要になることが予想されるため、次年度に一部繰越し、次年度中に全額使用する予定である。
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