2023 Fiscal Year Research-status Report
横紋筋融解症に伴う急性腎障害に対するメガリンASOの有用性の検討
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22K16244
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
莖田 昌敬 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00709602)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メガリン / 横紋筋融解症 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要 本研究の目的は「横紋筋融解症を呈するマウスモデルを用いて、メガリンASO(アンチセンスオリゴヌクレオチド)の腎障害に対する有用性を検討すること」である。この目的を達成するために、①メガリンASOがどのような時間経過でメガリン蛋白質発現を抑制するか?②メガリンASOは横紋筋融解症に伴う急性腎障害に対し保護的に働くか?を明らかにすることを目的としてマウスを用いた動物実験を行っている。
① メガリンASOは皮下への投与後、血液を介して各種細胞へと移行する。細胞内ではmRNAとハイブリダイズされ遺伝子発現を抑制した後、蛋白質合成を低下させる。一方で、近位尿細管の細胞膜上に発現しているメガリンはリガンドとの結合後、エンドソームとして一旦は細胞内に取り込まれるが、再度リガンドと離開し、一部は細胞膜上へとリサイクルされる。以上のことから、ASO投与後から蛋白質の発現が低下するまでの間、一定の時間が必要と推測されるが、生理的なメガリンの半減期は知られていない。そのため、R4年度はメガリンASO単回投与後の遺伝子(mRNA)についてqPCRで経時的な量的変化を確認した。R5年度には複数回投与によるメガリン発現への影響を明らかにした。 ②メガリンASOは横紋筋融解症に伴う急性腎障害に対し保護的に働くかを検討するために、まずは50%グリセロールの両側下腿への筋肉注射により横紋筋融解症を誘導する、横紋筋融解症モデルマウスの確立を図った。当初予定していたグリセロール投与量では死亡率が高く、安定した横紋筋融解症モデルマウスの作成が困難と判断し、再度、グリセロール投与量の調整を行い、安定した横紋筋融解症モデルの作成を確立できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物施設内で感染症が発生し、一定時期動物実験の実施が困難であったため
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度であり、本研究の目的である横紋筋融解症を呈するマウスモデルを用いて、メガリンASO(アンチセンスオリゴヌクレオチド)の腎障害に対する有用性を検討する。確立した横紋筋融解症マウスモデルに対してメガリンASOを投与して腎障害の改善の程度を評価する。もし、ASO投与が有用であれば、腎障害改善の機序について解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
動物施設内で感染症が発生し、一定時期動物実験の実施が困難であったため
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