2022 Fiscal Year Research-status Report
先天性魚鱗癬の病態におけるリゾリン脂質の役割解明と新規治療標的への展開
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22K16260
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
棚橋 華奈 名古屋大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70823467)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 常染色体劣性先天性魚鱗癬 / 表皮細胞分化 / 表皮脂質異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
重症型魚鱗癬の多くの症例が含まれる、常染色体劣性先天性魚鱗癬(autosomal recessive congenital ichthyosis: ARCI)の病因遺伝子としてはABCA12, ALOXE3,ALOX12B,CYP4F22,PNPLA1,SDR9C7等の報告があり、表皮脂質、特にセラミド合成に関連する遺伝子の関与については少しずつ明らかになってきているが、表皮脂質の異常が魚鱗癬の臨床像を来すそのメカニズムについてはまだ不明な点が多く、根治療法も確立されていない。セラミドは表皮透過バリアの構成成分となるだけでなく、表皮における情報伝達をつかさどるメディエーターとしての役割もあることが明らかになってきているが、本研究では、近年皮膚や皮膚疾患に対する新しい機能も報告されてきているリゾリン脂質やその関連酵素、シグナル伝達経路について、ARCIの病態とへの関与を明らかにすることを目的とした。本年度は、当教室の保有する複数の種類のARCIマウスモデルについて、表皮脂質や皮膚および皮膚附属器の分化に関連する遺伝子および蛋白の発現についての解析、特に表皮におけるリゾリン脂質やその関連遺伝子および蛋白の発現について解析を進めている。また新規ARCI表皮モデル作成にも取り組み継続中である。本研究を通して表皮細胞の分化調節に関わる脂質メディエーターとしてのリゾリン脂質について、リゾリン脂質やその関連酵素、シグナル伝達経路がARCI の病態にもたらす役割について明らかにし、それらをターゲットとしたARCIの治療法開発に応用できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ARCI表皮モデル作成に遅れが生じている。当教室保有の既存のARCIモデルマウスの解析を並行して進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
常染色体劣性先天性魚鱗癬(autosomal recessive congenital ichthyosis: ARCI)におけるリゾリン脂質が表皮の分化・増殖に影響をもたらすメカニズムの解明のため、研究代表者の所属する教室の保有する複数の系統のARCIモデルマウスの皮膚における、リゾリン脂質やその関連遺伝子および蛋白の発現について解析を引き続き行う。また引き続き新規ARCI表皮モデルおよびマウス作製に取り組み、完成と多角的解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究計画に遅れが生じているため、新規ARCI表皮モデル作成および多角的解析に対して、次年度使用額を適切に使用する。
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