2023 Fiscal Year Annual Research Report
SLE皮疹におけるオートファジー/LAPバランスを標的とした新規治療法の開発
Project/Area Number |
22K16265
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
冬野 洋子 九州大学, 医学研究院, 助教 (30529855)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | SLE |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、内因性核酸+IFNα刺激によるSLE皮疹様ケラチノサイトモデルの作成を行った。背景として、SLE皮疹形成にIFNαが重要であることが知られているが、IFNα受容体拮抗薬(アニフロルマブ)が、SLE皮疹を著明に改善させることが臨床上明らかとなっている。さらに、内因性核酸を表皮細胞に誘導することで、CXCL10と、IFNλが誘導され、内因性核酸のクリアランスが障害されたマウスでSLE様の病態が見られることが報告された。その他、SLE皮疹ではⅠ型IFNの発現や、死細胞の発現が亢進している報告がある。 本年度は、患者皮膚生検組織を用いた免疫染色で、SLE皮疹における炎症性サイトカイン、死細胞の発現の検討を行い、SLEで発現の上昇が報告されている炎症性サイトカイン、死細胞の発現の上昇を認めた。 さらに、内因性核酸とIFNαによるケラチノサイトへの刺激で、炎症性サイトカインや、死細胞の発現などにおいて評価を行ったところ、SLE皮疹様のシグナル発現を確認できた。さらにAHRリガンドを処理したところ、上記の一部のSLE様皮疹のシグナルの抑制を認めた。 今後は、SLE皮疹様ケラチノサイトモデルにおける、AHRリガンドの効果、機序についての検討が急務である、 また、昨年度までの検討における、LAP/オートファジー、AHR経路に着目したin vitro SLE皮膚モデルの作製については、マイクロアレイでSLE皮疹で認められるシグナルの一部の有意な上昇を認めており、今後、AHRリガンドによる効果についても引き続き検討予定である。
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