2023 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県に好発する血管肉腫の免疫微小環境の理解と治療標的となる腫瘍ゲノム変異の探索
Project/Area Number |
22K16266
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
粟澤 遼子 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (20457675)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | カポジ肉腫 / 古典型カポジ肉腫 / 頭部血管肉腫 / 発症頻度 / 宮古諸島 / 腫瘍免疫 / HHV8 / ウイルス発癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭部血管肉腫とカポジ肉腫は脈管内皮細胞に由来する悪性腫瘍であるが、その病態や予後は著しく異なる。私共はこれまでの疫学調査より、頭部血管肉腫は琉球諸島において世界頻度の3-5倍、古典型カポジ肉腫は原因ウイルスHHV8の浸淫地区である宮古諸島において日本本土の約1000 倍の頻度で好発することを明らかにし、これは、琉球諸島に流布するHHV8が独自の進化を遂げ、宮古島では日本全体の11倍の高感染率であることも一因である。 本研究課題では、沖縄県に好発する頭部血管肉腫およびカポジ肉腫のトランスクリプトームおよびエクソームデータの群間比較解析を通して、特に血管肉腫での免疫微小環境やドライバー変異を網羅的に解析し、多数の新規免疫チェックポイント因子阻害薬の中から最適な治療標的を選択するアルゴリズムを開発する。これまでに頭部血管肉腫13検体のトランスクリプトームデータの取得が完了した。これを検出力の高い統計解析を行うために、教室内で保存されている腫瘍組織を加えてデータ数を増やし、疾患コントロールとしてカポジ肉腫のトランスクリプトームデータを取得した。 従来の汎用されるデータ処理法では、ストップコドン、フレームシフト、エクソンスキップ等の変異をうけ、蛋白発現のないと考えられる変異RNA発現配列もその発現単位として計上される。そのため、必ずしも機能的蛋白として発現していないRNA分子も、予後不良群vs長期生存群に差のある因子として検出されてしまう。そこで新たなトランスクリプトームの処理プログラムを用いて、さらに広く最適化した遺伝子発現データプロファイルの違いを検索した。 現時点での解析で、血管肉腫の検体に共通するウイルスや細菌、真菌などの病原性外来遺伝子の病的意義のある存在は確認されなかった。
|
-
[Journal Article] A Comprehensive Study of the Immunophenotype and its Clinicopathologic Significance in Adult T-Cell Leukemia/Lymphoma.2023
Author(s)
Tamaki T, Karube K, Sakihama S, Tsuruta Y, Awazawa R, Hayashi M, Nakada N, Matsumoto H, Yagi N, Ohshiro K, Nakazato I, Kitamura S, Nishi Y, Miyagi T, Yamaguchi S, Nakachi S, Morishima S, Masuzaki H, Takahashi K, Fukushima T, Wada N.
-
Journal Title
Modern Pathology
Volume: 36
Pages: 1-9
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-