2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K16270
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小原 宏哉 北里大学, 医学部, 助教 (40596483)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 毛包幹細胞 / 脳出血 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が提唱するネスチン陽性毛包幹細胞はニューロンやグリア細胞、その他多くの種類の細胞に分化することを確認している。これより我々は過去に毛包幹細胞を用いて末梢神経と急性期・慢性期脊髄損傷を修復できることを示してきた。今回我々は、いまだ効果的な治療が存在しない脳出血に対する毛包幹細胞の移植効果について実験を計画した。まずは線条体の脳出血モデルを作成するための実験系を考案した。方法としてまず局所麻酔下でC57BL/6マウスの頭蓋骨を露出し、ブレグマより前方0.2mm、側方2mmの位置にドリルによって孔を開けた。続いてドリルで作成した孔よりハミルトンシリンジ (Hamilton 87942, Hamilton, Allston, MA, USA)の針を挿入し、固定した状態でコラゲナーゼⅦ (0.075 U in 0.5 μl volume, #LS005332, Worthington Biochemical Lakewood, NJ, USA) を0.25 μl/minで2分間かけて注入した。その後1週間毎にlimb placing test, cylinder testによって行動解析を行い、運動機能低下が生じていることを確認した。今後このモデルマウスを用いて、培養したネスチン陽性毛包幹細胞を脳内に直接注入することで運動機能改善が証明できるかを確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳出血モデルマウスの作成を成功できたことで、今後毛包幹細胞の移植実験が計画できるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後我々は脳出血モデルマウスを用いて、毛包幹細胞移植を計画している。それにより①運動機能評価②脳出血部における移植毛包幹細胞の生着の有無の確認③毛包幹細胞が脳出血部で生着していた場合、細胞の形態や性質の評価を行うことができる。運動機能評価については脳出血マウスのコントロール群とネスチン陽性毛包幹細胞移植群に群分けし、limb placing test, cylinder testで週1回毎、計5週間程度行動評価することで、有意差の有無を確認する予定である。脳出血部における移植した毛包幹細胞の生着の有無は脳出血モデルをヌードマウスで作成し、GFPマウスの髭毛包より培養した毛包幹細胞を移植することで、蛍光顕微鏡により脳を直接観察してGFPの発光の有無を確認する予定である。脳出血部に生着した毛包幹細胞の形態や性質評価は、同様にヌードマウスによる脳出血モデルにGFPマウスの髭毛包幹細胞を移植した後、脳の病理組織を作成し、免疫染色によってアストロサイト(GFAP)、オリゴデンドロサイト(MBP)、ミクログリア(Iba-1)、ニューロン(βⅢtubulin)に分化しているかどうか確認する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の予定よりも実験の進行が遅れ、使用する薬剤、マウス、機材が想定よりも少なかったため。次年度に持ち越すことで同様に実験に必要な薬剤、マウス、機材の購入を検討している。
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