2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of CAR-T cell therapy combined with molecular-targeted drugs to avoid immune exhaustion
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22K16328
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
富田 晃正 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30933022)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | CAR-T細胞 / 分子標的薬 / 併用療法 / 腫瘍微小環境 / 小児がん / 神経芽腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
遺伝子改変キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法は、血液疾患に対して高い有効性が示されたが、固形腫瘍に対するCAR-T細胞療法は未だ実用には至っていない。固形腫瘍に対するCAR-T細胞の効果が不十分である理由として、CAR-T細胞の過剰活性化や腫瘍微小環境から受ける免疫抑制機構によるCAR-T細胞の免疫疲弊による機能不全が原因と考えられており、これらを克服する工夫が必要である。 本研究では、我々が見出した、分子標的薬によるRaf/MEK経路の調節とCAR-T細胞療法の相乗的な抗腫瘍効果を発展させ臨床応用するために、CAR-T細胞療法における分子標的薬併用時の投与方法の最適化や他の分子標的薬との併用効果について検討し、より持続的な抗腫瘍効果の高い、複合的CAR-T細胞療法の開発を行うことを目的としている。 現在、小児難治性がんの1つである神経芽腫の細胞株を用いて研究を進めている。神経芽腫の腫瘍特異的変異からRaf/MEK経路やその上流の経路に着目し、候補となる分子標的薬をいくつか同定した。また、ある候補薬は、MEK阻害薬であるトラメチニブとは異なり、in vitro ではCAR-T細胞の活性化を抑制することなく相乗的に抗腫瘍効果が見られることを見出した。また、神経芽腫細胞株の腫瘍特異的変異の違いによって免疫疲弊マーカーとされるPD-L1の発現に差がみられたことから、神経芽腫細胞株における免疫抑制性因子の発現機構についての解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記のように主に候補薬についてのin vitroの実験を進めため、当初予定していた併用療法の最適化の実験(トラメチニブを用いたマウスモデルの実験)が2022年度は実施できなかった。2023年度以降は候補薬についてのIn vitroの実験と並行してIn vivoの実験を実施していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
候補薬とCAR-T細胞との併用効果の検討と免疫抑制因子の解析を主に進めていく。併用効果についてはIn vivoの実験も行う予定としている。また、併用療法の最適化やCAR-T細胞の異常活性化に関する分子機構の解明についても検討を進めたい。
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Causes of Carryover |
主にIn vitroの実験を進めたため、当初計上していた動物関連費の使用がなかった。2023年度は動物実験も計画しており、残額は次年度以降に繰り越す。また、国内の学会や国際学会についてもコロナ禍でありオンライン、あるいはハイブリッド開催が主であったため当初計上していた旅費の使用も少なかった。2023年度は5月に国際学会への参加を予定しており、旅費についても必要となる予定である。
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Research Products
(1 results)