2022 Fiscal Year Annual Research Report
Targeting oxidative stress as a potential therapeutic strategy for inflammatory myopathies
Project/Area Number |
22K16342
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
神谷 麻理 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (20844377)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 炎症性筋疾患 / 活性酸素種 / 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 多発性筋炎(PM)患者筋のROS蓄積の評価:PMと非筋疾患患者の筋組織に対して、ROS蓄積を組織学的に評価するprotein carbonylに対する免疫染色を行ったところ、PM患者の筋においてprotein carbonyl陽性の筋細胞の面積の増加を確認した。 2. 筋のネクロトーシスに対するROS阻害効果の検証:マウス筋芽細胞株であるC2C12細胞由来の筋管細胞にリコンビナントFASLGと架橋抗体を添加することで筋管細胞にネクロトーシスを誘導し、PMの細胞モデルとして利用した。本モデルにおいて、ROSの一種であるH2O2がネクロトーシスを促進させること、酸化ストレス阻害作用を有するN-acetylcysteine (NAC)がネクロトーシスを抑制することを確認した。さらに、NACが筋管細胞におけるROS蓄積を抑えることをCellROXアッセイにて確認した。 3. マウス筋炎モデル(CIM)に対するROS阻害効果の検証:NACがin vitroモデルにおいて筋管細胞のネクロトーシスとROS蓄積抑制効果を示したことから、NACがCIMの炎症抑制に有効ではないかと考えた。NACの毒性を検証するため、CIMに対して、複数の用量のNACを投与し、マウスに体重減少等の有害事象をきたさないNACの用量を設定した。CIMを誘導したマウスに対して、免疫後7日目より21日目まで連日NACを腹腔内投与したところ、NAC単剤では溶媒と比較して筋炎や筋力の改善効果を示すことができなかった。 今後はPMの標準治療薬であるprednisolone (PSL)とNACの併用効果を検証する。平行して他の抗酸化効果を有する複数の薬剤について、筋細胞死抑制効果をin vitroモデルを用いて評価する。NACによるCIMの炎症抑制効果が乏しい場合にはこれらを用いた筋壊死や炎症の抑制効果を検証する予定である。
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