2023 Fiscal Year Research-status Report
エピジェネティック調節によるT細胞制御に焦点をあてた免疫疾患の解明
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22K16349
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒川 裕也 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30733175)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | PHF2 / CD4T細胞 / ヒストンメチル化 / エピジェネティクス / ふたご研究 / GWAS / EWAS / RNA-Seq |
Outline of Annual Research Achievements |
R4年度において、我々はPhf2KOマウスを用いてPhf2がIL4発現亢進およびアレルギー増悪に関与している可能性を明らかにし、R5年度において、その結果をCytokine誌に公表した(Yuya Arakawa, Yuzuki Tano, Moe Fujii, Yuuki Imai, Yoshiaki Norimatsu, Masaki Yasukawa, Mikio Watanabe, Takeshi Yamada, The H3K9 demethylase plant homeodomain finger protein 2 regulates interleukin 4 production in CD4+ T cells, 2024 Mar:175:156506)。また、ヒトの双生児検体を用いて、Phf2が制御している遺伝子発現を推定するためRNA-seqデータを用いた発現量解析を行った。さらにPhf2発現に影響する遺伝因子(一塩基多型;SNP)および環境因子(DNAメチル化)を明らかにするためGWASおよびEWAS解析を行った。その結果、Phf2はTh2分化に関連するいくつかの遺伝子発現に影響している可能性を見出した。また、PHF2発現を制御するいくつかのSNPを発見し、PHF2発現量と関連するSNPリスクスコアを作成した。この結果は、日本双生児研究学会第38回学術講演会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、ヒトにおけるPHF2機能の解析が進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度は、PHF2によるヒトの形質への影響について解析を行う。対象形質として、白血球分画、IgE抗体価、アレルギーの有無、抗核抗体価、抗甲状腺自己抗体価など免疫に関わるものを優先的に解析する。また、GEOデータベースよりアレルギーを対象としたRNA-seq研究データを引用し、再現性を検証する。さらに、PHF2以外のH3K9メチル化関連酵素についても同様の解析(発現量解析、GWAS、EWASなど)を行い、PHF2の結果と比較を行う。
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Causes of Carryover |
次年度使用顎が生じた理由は、当該年度より研究環境が変わり研究方法の変更を行ったことである。翌年は、血中アミノ酸の測定および国内・国際学会への参加や英文雑誌への投稿費として使用する予定である。
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