2022 Fiscal Year Research-status Report
LncRNAと関連分子の包括的解析によるシェーグレン症候群病態解明と治療標的同定
Project/Area Number |
22K16352
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
寶來 吉朗 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (30646782)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | シェーグレン症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
口唇生検については、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響を受け施行件数が減少しており、新規検体を得るのが困難な状況が続いている。そこで、当科で過去に施行し保管している標本のリストから選定を行うこととした。当科でこれまでに施行した口唇小唾液腺生検標本のうち、シェーグレン症候群(SS)群に関しては2002年アメリカ-ヨーロッパSS基準を臨床的に満たしかつ、SS小唾液腺の組織学的特徴である導管周囲における50個以上の単核球浸潤を認め、かつ臨床情報から血液検査で抗SS-A抗体陽性を示すものをこれまでに生検施行した症例の中から選定することとした。なお抗セントロメア抗体陽性症例については抗SS-A抗体陽性の典型的SS症例とは異なる臨床的及び病理学的特徴を示すことが報告されていることから、今回の検討の対象からは除外することとした。対象群としては乾燥症状からSSを疑い口唇生検を施行したもののSSの基準には合致しなかった症例をこれまでに生検施行した症例の中から選定することとした。 ncRNAに関してはin situ hybridizationに要する費用の都合から、既報からSSの病態に関連するlncRNAを候補として複数選定し、上記の口唇生検標本を用いてin situ hybridizationによる発現解析を行う予定とした。今年度は上記の口唇小唾液腺生検標本を用いてSSの病態に関わるlncRNAの解析、及び関連分子の免疫組織染色による解析を予定していたが、新型コロナウイルス感染症のまん延が続き、診療代行や研究者の移動に関する制限により実験遂行に支障をきたす社会状況が依然として続いていた。そのため、今年度は解析に使用する検体の選定や解析対象のlncRNAや関連分子の選定にとどめ、実際の解析は次年度以降に計画することとした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症のまん延が続き、診療代行や研究者の移動に関する制限により実験遂行に支障をきたす状況が依然として続いていたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度選定した検体を用いて、当初より計画していた解析を予定する。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、今年度に計画していた解析が遂行できず、次年度使用額が生じた。次年度の口唇小唾液腺生検標本を用いた免疫組織化学的解析に要する物品の購入や、今年度はウェブ参加となった学会の旅費に充てることを予定している。
|