2022 Fiscal Year Research-status Report
関節リウマチ患者の滑膜一細胞解析によるTNF-α阻害剤反応性予測マーカーの探索
Project/Area Number |
22K16354
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土屋 遥香 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50868560)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜 / シングルセル解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、RA分類基準(ACR/EULAR 2010年)を満し、発症早期(1年以内)、MTX-IR(MTXが3か月以上投与されても低疾患活動性以下に未到達)の患者から、研究内容に関して文書説明と同意を取得した。同意が得られた患者から、治療開始前の臨床情報(年齢・性別・自己抗体・疾患活動性評価指標・身体機能障害評価指標等)、関節滑膜(超音波ガイド下滑膜針生検などを用いて採取)・末梢血を収集した。関節滑膜の細胞懸濁液から分離した単核球に、CITE-seq抗体の添加と免疫蛍光染色を施し、フローサイトメーターを用いて生細胞を分取した(1検体あたりの目安: 10,000細胞)。10x Genomics Chromiumシステムを用いてシングルセルライブラリーを調整した。この一連の工程において、データの質の担保とコスト削減の両立を目指すため、プロトコルを改善した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度は、1)患者リクルート・文書による説明・同意の取得、2)臨床情報・関節滑膜・末梢血の収集、3)生細胞の分取とシングルセルライブラリーの調整を目標としており、上述の如く当初の目標を達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、初年度に調整したシングルセルライブラリーを用いて、次世代シーケンサ―NovaSeq 6000(Illumina)による150 bp pair end sequenceを実施する。得られたシーケンスデータと、ベースラインおよび前向きに取得する臨床情報を統合的に解析し、治療抵抗例と非抵抗例における細胞分画の差異を比較する。また、両者間で有意差のある細胞分画が特に発現する炎症メディエーターを解析し、治療抵抗性の獲得メカニズムに迫る予定である。
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Causes of Carryover |
生細胞の分取からシングルセルライブラリーの調整までの実験プロトコルを改善したことにより、令和4年度のコストを削減した。これにより、解析可能症例数が増加し、令和5年に実施予定の次世代シーケンスにおいて、1細胞あたりのシーケンス深度を十分に担保することが可能となった。
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