2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of mechanisms for involvement of cellular senescence in the pathogenesis of RA-ILD
Project/Area Number |
22K16366
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
渡邉 萌理 東邦大学, 医学部, 助教 (10726300)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 細胞老化 / senolytics |
Outline of Annual Research Achievements |
SKGマウスを用いて、関節リウマチに伴う間質性肺炎を発症させ(SKG-ILD)、間質性肺炎に細胞老化の機序が関与するか、病理学的な検討を行った。抗p21抗体、抗p16抗体、抗γH2Ax抗体を用いた免疫染色による検討にて、間質性肺炎を発症している部位に染色される事が判明した。また、増殖のマーカーであるki-67について、抗ki-67抗体を用いて染色したところ染色を認めず、細胞増殖は低下している事が判明した。従って、SKG-ILDは細胞老化を来しているという事が証明された。また、細胞老化を来している細胞を同定するためにFACSを行い、抗p21抗体が陽性となる細胞種の同定を行った。まず、肺組織の細胞をCD45陽性の白血球、CD31陽性の血管内皮細胞、EpCAM陽性の上皮細胞、これらの表面マーカーが全て陰性のtriple negative(線維芽細胞など)にゲーティングし、抗p21抗体陽性となる細胞を確認したところ、全ての細胞種においてp21陽性細胞が認められたが、中でもCD45陽性細胞にp21陽性細胞が多く認められた。また、CD45陽性細胞のサブセットを分けてp21陽性細胞の発現を確認したところ、肺胞上皮マクロファージや間質マクロファージにp21陽性細胞が多く存在する事が判明した。次に、蛍光免疫染色を行い、p21陽性細胞やp16陽性細胞を確認したところ、p21陽性細胞は白血球、血管内皮細胞、上皮細胞の全てで陽性を認めた。一方p16はCD45陽性細胞の内、形態的にマクロファージと考えられる細胞にp16陽性細胞を認めた。従って、SKG-ILDにおいては、白血球、血管内皮細胞、上皮細胞、全てが細胞老化に関わる可能性があるが、白血球のなかではマクロファージが細胞老化に関与している可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SKG-ILDに細胞老化を来している事、細胞老化を起こしている細胞の同定まで行う事が出来ているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は細胞老化を来している細胞をターゲットとし、老化細胞を除去することで間質性肺炎の発症を抑制出来うるか検討する予定。
|
Causes of Carryover |
実験にかかる試薬や実験装置など、実験室に常備してあるものを利用したため、想定した使用額より低額でおさまったものと考えられる。次年度は今年度行った実験を再度検証するために再度FACSや蛍光免疫染色を行う予定であり、費用は使い切る予定。
|