2023 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギーにおけるIL-33スプライシング・アイソフォームの検討
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22K16367
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
藤野 哲朗 兵庫医科大学, 医学部, 特任講師 (00867400)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / インターロイキン / IL-33 / スプライシング・アイソフォーム |
Outline of Annual Research Achievements |
小児の10-20人に1人は食物アレルギーを有しており、日常生活の質の低下のみならず、学校・保育園における食事対応が社会問題になっている。 食物アレルギーの診断には実際に食品を摂取してみるという経口負荷試験以外に、感度・特異度の高い客観的な診断指標や重症度の指標が無く、標準治療も無いことが問題となっている。そのため、実際は不要な除去も含め長期間の除去食が必要となることが指摘されており、病態に基づく客観的なバイオマーカーの確立、治療法の確立が求められている。 近年、免疫に関係するサイトカインの一種であるインターロイキン(Interleukin: IL)-33がアレルギー疾患に重要な役割を果たしているとの報告がある。スプライシング・アイソフォームとは一つの遺伝子から形成される複数のmRNA配列を示すが、気管支喘息において、IL-33のスプライシング・アイソフォームの病態への関与が示唆されている。申請者は、IL -33スプライシング・アイソフォームが食物アレルギーの病勢のバイオマーカーとなり、さらに、アイソフォームを制御することが、新たな治療法になる可能性を着想した。本研究では、IL-33のスプライシング・アイソフォーム発現型を解析し、食物アレルギーの実際の症状との関連を検討することによりバイオマーカーとしての重要性を検証する。 2023年度の実績としては、研究対象者のリクルート、食物アレルギー患者におけるIL-33の血清濃度測定、ターゲットとなるIL-33スプライシング・アイソフォームの検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
食物アレルギーでは腸管粘膜や皮膚でIL-33が産生することが知られているが、血中のIL-33も増加するかの検討が必要であること。気管支喘息においてIL-33のexon3、exon4が欠失したスプライシング・アイソフォームで2型気道炎症との関連がみられたとの報告があるが食物アレルギーに対してもターゲットとするスプライシング・アイソフォームの検討が必要であり確定できていないこと。
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Strategy for Future Research Activity |
食物アレルギー患者において血中IL-33濃度の上昇が見られるかを調査し、ターゲットとするスプライシング・アイソフォームの検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究の進捗状況により使用する資材や研究発表が予定と異なったため。
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