2022 Fiscal Year Research-status Report
独自ワクチンを基にした、マラリア抗原変異株に防御効果を示す次世代ワクチンの開発
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22K16370
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
水野 哲志 金沢大学, 医学系, 助教 (60882230)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 熱帯熱マラリア / ワクチン開発 / PfCSP |
Outline of Annual Research Achievements |
蚊の吸血に伴いヒトに侵入した熱帯熱マラリア原虫は、肝臓を経て赤血球に寄生し症状を引き起こす。ヒトへの侵入から肝細胞侵入までのスポロゾイト期に マラリア表面に発現するPfCSP抗原は、有望なマラリアワクチン抗原候補と見られている。我々はPfCSPをターゲットとした新規ワクチン(m8Δ2/AAV-Pf(s25-CSP))を開発した。PfCSP抗原はN末端部位、NANP-NVDPくり返し部位、C末端部位で構成される。繰り返し部位はB細胞エピトープとして認識され、C末端部位中に存在するTh2RとTh3Rは、T細胞およびB細胞エピトープとして認識される。先行ワクチンであるRTS,Sのアフリカでの第III相臨床試験の結果から、ワクチン接種者に感染したマラリア原虫は、pfcsp遺伝子がコードするC末端部位のTh2R・Th3Rを含む84アミノ酸配列のうち、22部位に変異を認め、53人から193種類のハプロタイプ多型が報告された。この多型のうち、未変異の3D7の割合は約5%程度しかなく、C末端部位の変異がRTS,Sワクチンの有効性を著しく減弱させている可能性が示唆されている。本研究では、m8Δ2/AAV-Pf(s25-CSP)のPfCSP-C末端変異原虫に対する効果を評価する。マウスを用いた評価系を構築するために、R4年度には実際に報告されている変異をもつPfCSPを組み込んだ遺伝子組み換えマウスマラリアを作製した。この原虫を用いたワクチン評価モデルを構築することにより、より効果的なワクチンを開発するための礎を築くことが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに報告されているCSPのC末端変異の塩基配列情報を基にして、原虫組換え用トランスファーベクターの作製を行った。それを用いた組換え原虫作製のプロトコルの構築に少々の時間を要したが、最終的には組換え原虫を問題なく作製できる体制を構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスモデルを用いて、標準株(3D7)と作製した変異導入株マラリアそれぞれに対するワクチンの防御効果をin vitroあるいはin vivoで評価する。これらの評価を通じて、ワクチン効果を大きく変化させるような変異が同部位に存在するかどうかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
購入物品の(セール等による)額面と実費の誤差が生じてしまい当該助成金が生じてしまった。次年度の予算と一体化して使用する予定である。
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